8 郊外にて

「お嫁さまへの道」第8話。
エントリは、じわじわと進みます。

初めて会った時、年内は会う時間作れないって言ってたダンナ氏ですが、お見合いから1週間後、会う時間を無理無理に作ってくれました。

2回目がある意味、勝負どころだと私は思っています。
というのも、初回はお互いにスーツだったりワンピースであったり、きちんとした格好で出てきますが、2回目以降はカジュアル。普段の自分が出てくる訳です。初回が良くても2回目で「あれ?」なんてことはよくある話。

ダンナ氏は当日の昼間、会社の忘年会でした。
夕方待ち合わせをしていて、私は相手の顔を覚えているかどうか、少々不安がありました。赤い眼鏡をかけていたのは覚えていたので、
「眼鏡、眼鏡。。モダチョキの矢倉さんに似てる人。。」
と探していたけど見つからない。そのうち、ダンナ氏から
「どこにいてるの?」
と電話がかかってきました。周りを見渡したら、さっきまで人がいっぱいだったのに、さっと人がはけてしまって、目の前にダンナ氏がいました。
「!!!!」となって、「目の前にいますけど。。」と。

ダンナ氏は眼鏡をかけておらず、
「眼鏡がなければ、こんな顔だったのか。。。。」
と、改めて眺めたのでした。

「今日は大切な約束があるから」と会社の忘年会を抜け出してきたそうで、随分からかわれたらしい。「え、会社の人に話してるの?」と驚いた私。私は会社ではプライベートを見せることは滅多とありませんから。ただ、そういう話をできる環境なんやな、と分かりました。

難波で待ち合わせをして、近鉄に乗って郊外へ。普通、難波界隈で食事するんでしょうが、そこは何も言わずに着いていきました。実際、会社の人たちからも、「今の時期はイルミネーション見て、ロマンティックにやるのが普通やろ」とツッコまれていたそうです。プランまで話しとったんかい。。

郊外で、ダンナ氏いわく「B級グルメ」のお店を2軒ほどハシゴしたのですが、緊張していた私はお酒のスピードが異様に早い(笑)
2回目とはいえ、相変わらず、相手を観察&緊張モードではありましたが、「悪くない」から「良い人やな」という印象に変わっていったかな。

立ち飲みのおでん屋さんで、お互いの家族の話をしていて、共に両親から「早く結婚しろ」というプレッシャーがかかってるだの、「結婚もだけど、子どもも早くほしい」とか、これまでのお見合いで、私が絶対に口にしなかった話をしている自分に驚き。家族のことや二人の将来を想像させるような話はこれまで上手に避けてましたから。

二人の将来を想像させる話をしちゃったよ。。
なんて、これまでの自分ではあり得なかった言動をしてしまったことに、改めて驚いたのでした。

帰りの電車で、私の名前の呼び方についてリクエストし、私からなんと呼んだらいいか尋ねました。
「名前を呼び捨てしてくれてもいいよ」と言われましたが、最初からそれはないやろ、と、「ちょっと考えさせて」と返してしまった私でした。

それと、このシリーズでは、セキララを真情としておりますので、包み隠さず書いておきますと、「寒いから手をつなごう」と手を取られて驚いたのも、この2回目でありました。
後日、「2回目でよく手をつないできたよね」と言ったら、「基本、ずうずうしいからね(笑)」というお答えでした。