身体から変わる

<Emmery Annexの過去ログ>

今でこそ、精神世界系、スピリチュアル系、もしくはニュー・エイジ系と呼ばれる本や記事をたくさん読み、こんなことを書いている私ですが、ほんの少し前までは、こういう世界には拒否感を持っていました。

それは、私がアメリカ留学している間に、母がすっかり変わってしまった、
というイメージと、その変容がどうやら精神世界系の本を読み、セミナーを受けまくっているところから発生しているらしい、というところから、胡散臭さを感じずにはおれなかったのです。
毎日一緒に生活していたら、じわじわとした変化でそれなりに受け入れられたのでしょうが、久しぶりに会う時の印象の違いに、なんか騙されてる、と思ったものです。

母から精神世界系の本や記事が送られてきても、私はハナから興味がなく、また胡散臭い物を送ってきて。。といった反応しかなく、目を通すことなく放置、という状態が続いていました。

太極拳のクラスでもそうでした。
2年も習って、新しい生徒が来たら私が教えたりすることもあったくらいなのに太極拳や先生が教えてくれた氣だの丹田だのといったことを本で読んで知ろうとは一切せず、真っ向から拒否していました。
先生は、クラス以外でも太極拳の練習を毎日欠かさない私が、そういった類の本を一切読んでいないことを知って、
「あなた、太極拳始めてからどれだけ経ったと思ってるの?」
となかば呆れたように言って、お勧めの本を紹介してくれたけど、ついぞ読まなかった。英語で書かれているから読むのが面倒くさい、と言い訳はしていたけど、日本語であっても読む気さえしなかったのです。

とにかく身体で感じ、身体から学んでいくこと以外、興味がなかった。
幼い頃から本好きで、本ばかり読んで実体験が不足しがちと言われていた反動だったのかもしれない。
もしくは、アメリカの大学生だったので、それはそれは大量の資料を毎日読まなければいけなかったし、卒業してからインターンをしていた時も、大量に毎日いろんな知識を吸収していく必要があったから、精神世界系の本を読む余力が実際問題なかった、というのも一理あるかもしれないですね。

本を読まないにしろ、クラスで先生が誘導瞑想をしていても、言っていることの半分以上の聞き取れてなかったにせよ、体型という意味ではなく、私の身体がどんどん変わっていき、それに伴い、自覚できるくらい意識や精神も変わっていきました。自分が自分の中心にいる、という感覚や、瞑想をしている時に時折深い状態に入ることができるようになったり、ヴィジョンを見ることができるようになったり、他にもいろいろと、明かな変化がありました。
頭では拒否していても、身体は理解し、受け入れていった、とでも言えば良いのでしょうか。

それまでは、精神的に追われるとすぐに胃が痛くなるタイプだったのが、食べ過ぎで胃が痛くなることはあっても、精神的なプレッシャーで胃が痛むことがほとんどない状態になっていきました。自分でその辺りがコントロールできるようになっていったのです。

頭から理解していくのではなく、身体が変わることで精神や意識も変わっていく、
という体験ができたことは非常に貴重だったと今になって思います。
そういう意味で、今のヨガ・ブームはすごく良いことだと思っています。
精神世界的なことに関心があろうとなかろうと、単にフィットネス感覚でヨガをやっている人が多くても、身体が変われば意識も変わるので、今、この時期にヨガがブームになるということは、とても大きな意味があると思っています。一過性のもので終わらなければ、必ずやこのブームは目に見える形をとるかどうかは別として、本人にとっても世の中にとっても、何らかの変容をもたらすであろう、と確信しています。

月の月24日 KIN155/心を普遍化する 青い水晶の鷲