「手」で感じる

<Emmery Annexの過去ログ>
週末に仲間と主催した講座のアイスブレイクで紙粘土のワークをやったのですが、これがとっても面白かったのでご紹介します。

紙粘土を人数分と机が汚れても大丈夫なように敷物を準備します。
大きな机の周りに皆が向かい合うように座ります。

ワークはずっと目を閉じた状態で行います。

紙粘土を袋から出したら、まず目を閉じ、ここ最近のことを思い出しながら出てきた思いを紙粘土に練り込みます。

参加者はお疲れモードの方が多かったので
「気持ちが落ち込んでいく~」
なんて声が聞こえてきましたが、その思いを両手でぎゅっと紙粘土に練って練って練り込んでいきました。

紙粘土をテーブルの上に置いて、目を閉じたまま手を伸ばして近くに座っている人たちの手を触ります。温かいか冷たいか、大きな手が小さな手か、指や爪はどんな感じか、手で相手の手のことを味わいながら知っていきます。

普段、こんな風に人の手を触ることはありませんし、目を閉じていると触感が敏感になる為、他人の手の感じを知るのはとてもおもしろかったです。

引き続き、目を閉じたまま、今度は紙粘土で作品を作ります。
全員ができあがったら目を開けます。
まずは自分の作品を鑑賞します。
席を一つずつ移動して、他の人が作った作品を手で触れて鑑賞し、一人ずつ感想を出し合います。

同じ作品もその人によって触れ方も違えば意見も違うのが興味深かったです。
特に自分の作品を私が意図してなかった触れ方をして、思いもよらなかったことを言われるたびに、そんな風に感じるのかぁ、と感心してしまいました。
私もグループのメンバーの作品を一つずつ手で触れて感じることを発言していったのですが、作品を手にした瞬間に感じるもの、基本的には作った人の「手」の感じなのですが、そういった「感じ」とまた別に心にふっと入ってくる「何か」があって、それをグループで共有できたのが何とも楽しかったです。

一巡したら、皆の手に触れられて鑑賞された結果、自分の作品がどうなったかを
自分の手で確かめ、一人ずつ感想を出し合います。

紙粘土ですので、いろんな人が触ることで大きくは変わらないものの微妙な変化が生じています。その為、自分が完成させた時と感触が違った、と言う人が多かったように思います。
私自身、片手にしっとりと収まるように作品を作ったのですが、他の人たちは皆、両手で触って鑑賞していた為、私自身の手でも片手ではなく両手で触ったほうがしっくりくる作品になってました。いろんな人の「手」を経た味わいを自らの「手」で感じるというのはなかなか新鮮な体験でした。

こういった「感じる」ワークは、いつもと違う場所が刺激されておもしろいものです。グループワークをされたりする方で、興味を持たれた方は、どこかでお試しください。

倍音の月23日 KIN228/芸術を呼び起こす 黄色い共振の星