一つの光

<Emmery Annexの過去ログ>

氣功の自主トレが終わってから皆でお茶をしていた時、神さまの話題になりました。
たまたまお寺の住職が参加されていたので
「お寺さんとして、神って何ですか?」
と誰かが質問をした。私はお寺の人なら「仏さま」とか言うのかしら、と思っていたら、その人は
「元を正せば一つの光みたいなものじゃないですか?一つの光をいろんな人がいろんな風に見て、同じものを見ているのに、自分の見方は正しくて、他の人のは正しくない、などと争っている。とても無意味なことです。」
というようなことをおっしゃいました。
てっきりご自身の宗教に関することを返事されると思っていたので、驚きましたが、同時にとっても嬉しくなりました。

「神さま」と聞くといつも思い出すのは、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」でジョバンニと女の子が神さまのことで言い争いになった時に出てくる「たったひとりのほんとうの神さま」という言葉。

「だっておっ母さんも行ってらっしゃるしそれに神さまがおっしゃるんだわ。」
「そんな神さまうその神さまだい。」
「あなたの神さまうその神さまよ。」
「そうじゃないよ。」
「あなたの神さまってどんな神さまですか」
青年は笑いながらいいました。
「ぼくほんとうはよく知りません。けれどもそんなんでなしにほんとうのたった1人の神さまです。」
「ほんとうの神さまはもちろんたった一人です。」
「ああ、そんなんでなしにたったひとりのほんとうのほんとうの神さまです。」

この「たったひとりのほんとうの神さま」という表現が私はとても好きです。
神さまはたくさんいて、いろんなところに宿っていると思うし、私たち一人ひとりの中にもいると思うけれど、つきつめれば一つの大きな存在が姿形を変えて見えているだけだと思う。
宗教の話になると、あぁ、そうじゃなくて「ほんとうのたった一人の神さまです」
と言いたくなることがよくあります。

だから「たったひとりのほんとうの神さま」の見え方が違うことを理由に争いが起こるのを見聞きすると、とても悲しい。つきつめれば同じ存在を崇拝しているのに争うなんてね。

 

銀河の月15日 KIN54/受容性を安定させる 白い月の魔法使い