35 退職

「お嫁さまへの道」第35話。

結納が終わった直後、表向きは「結婚を機に」会社を退職しました。(本当はそうじゃないけど、ちょうど結婚することになったので、寿退社ってことになった。)有給消化があったので、書類上の退職は4月後半ですが、最終出社日は2月末日。

退職することは2月に入ってから決まったので、引継は本当にバタバタしました。毎日22時が定時状態。それは私だけじゃなくて引き継いでくれるメンバーも一緒で。

元チームメイトで現在フリーランスの人たち、育休中のチームメイトなど、私が在職中に関わった人たちで送別会に来れない人たちが、退職までに入れ替わり立ち替わり、会いに来てくれて、本当にうれしかった。なんだかんだ言っても人には恵まれた環境だったな、と改めて思いました。送別会は送別会で、フリーランスの人たちが来てくれて、なんとありがたいことだろう、とってもうれしかった。

お客様への退職挨拶は、遠方だから電話とメールでの挨拶になりました。とっても複雑な気持ちだった。最後の方はそういう訳にはいかなくなってきてたけど、お客様の窓口として、お客様の手足となれるよう、少しでも助けになるよう、心配りをして仕事をしてきたつもりだった。立場が上の人たちのお返事は、本当に心打たれる内容が多かったです。一介の担当者の結婚退職報告にも、こんな風に返せるからこそ、人の上に立って仕事をされているんだろうなぁ、と。

最後の2年くらいは、自分の進退について悩むことばかりで、退職が決まった時は正直、清々したものですが、それでもやっぱり、自分の力不足やら、後悔とまでいかずとも、心残りというのはありましたね。

こうして、ほぼ9年勤めた会社をバタバタっと辞めたのでした。
両親は、辞めることに反対はしなかったものの、あっと言う間に、それもスパっと辞めてしまったので、かなり驚いてましたね。ダンナ氏からは前に
「専業主婦でずっと養ってあげることはできないから働いて」
と言われてましたが、辞めることに反対はなく、しばらく休んで、その間に子どもを作ろうよ、ってな具合でした。

「あんなに頑張ってたのに急に辞めちゃって、どうしたの?」
と、あちこちで言われましたが、実際のところ私の中では、結婚しなくても会社を辞めるつもりでした。退社時期も4月末頃と決めていて、最終出社こそ2月末でしたが、書類上は4月後半でしたので、退職も引き寄せたんだと思います。結婚同様、退職も嵐のように決まり、実行と相成りました。

超スピード婚ということもあり、仕事をしながらの結婚準備では、時間に無理があると分かったのでちょうど良かったかな。他にも2月末退社で助かったことは、後日、いろいろありました。こういうのも、天の采配っていうのかしら。