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見合いの顛末(その7)

映画が終わるとちょうど夜の7時。
街は夕暮れで、少しずつネオンがつき始めていた。
夕ご飯を誘ってくるやろなーって思ってた。
その裏で、どうやってまいて帰ろうかなって考えてた。
案の定、

「一杯どうですか?」

と誘ってきた。
ここで、見た映画の話題で盛り上がっておれば、一杯行っても良いか、
と思うところだが、盛り上がっている訳なかった。

心の中で
「アンタとは一杯やりたくないね。
 それに普通、1回目のデートでKill Bill Vol.2を見たがる女ってヤじゃないか?」

とつぶやいてみる。
良いとも悪いとも言わず「なんだかまだ映画の余韻にひたっちゃってるわぁ」と返す。
どこに行くか提示して誘ってくるならいざ知らず、
「とりあえず一杯」
といって、店みつけられんのかしら、なんて意地悪く思っていたり。
あたりさわりのない、お誘いの返事とは関係のない言葉をいくつか返していると
「今回のところは帰りますか?今日はお疲れのようやし」
のお言葉。
「アンタとは今回限り。次回なんてあるかいや、そうそう、そのセリフを待っていたのよ」
と心の中でつぶやいて、嬉しそうな顔をしないように注意しながら
「そうですね。そうしましょうか。その方がありがたいですね」
と返事する。
そうして勝手に私から駅に向かったのだった。