華氏911

第57回カンヌ国際映画祭最高賞パルムドール、国際批評家連盟賞
をダブル受賞したマイケル・ムーア監督の最新作です。

実は劇場に行くまでタイトルを何と読めば良いのか知らなかった。
英語では「Fahrenheit 9/11」だから迷わず
ファーレンハイト ナイン イレブン」だけど
日本語ではどうなんだろう。。
「かし ないん わん わん?」
→それじゃ救急車呼ぶときの電話番号やんけ
(アメリカで電話番号「911」といえば、日本の110番にあたる。)
「かし ないん いれぶん?」
→なんか違うような。。
海外生活経験のある友人達に訊いてもみんな一様に
「そうやなぁ、何て読むんやろ。。。」
と悩んでいた。

前売りを買った時も
華氏。。」
で通じてしまったので、最後まで言わずに買えたのは良かったのだけど、
復唱をしてくれなかったので、読みが分からずじまい。
(普通は、そこで読み方も訊いておくべきか。)
で、劇場でやっとのこと「かし きゅーいちいち」と読むことが分かったのだった。

私の映画鑑賞前の間抜け話はここまでにして。。

マイケル・ムーア監督の作品を見るのは初めてでしたが、
裏付けがきちんとしていて説得力がありました。
マイケル・ムーア監督のユーモアたっぶりのナレーションには
聞いてて何度も思わずニヤリとさせられました。

ブッシュは名前の通り本当にバカでぃ(注1)
と前から思ってたけどそれ以上に驚愕の映像てんこ盛り。
前からテロの計画があることを知っておきながら無視したり、
あの、同時多発テロの時もフロリダの小学校を訪問していて、
攻撃されていることを知っても何をして良いか分からず、
誰も何もしないまま7分間が過ぎた、
なんてのは圧巻でしょうか。
この映像は、訪問した小学校がビデオ撮影していたのを提供してもらったのだとか。

その他、裏付けはマイケル・ムーア監督の公式HPで読めます。

富める階級の人たちの為に、
貧困階級の人たちが命を投げ打って戦線に向かい、
石油の利権のために罪のない人たちが沢山殺される。
イラク出兵で息子を亡くした女性がホワイトハウスを訪れて

「私の怒りをぶつける本当の場所が分かった。
本当のテロリストはブッシュだ。」

と叫んでいたのが印象的でした。

全編通してみると、今度の大統領選挙でブッシュ再選を阻むために作られたと見られかねない映画ですが、
こういった映画がきちんと上映されるのもアメリカらしいところですね。
日本だったら上映されないでお蔵入りしそうだ。
政治の酷さは日米ともに絶望的だけど、この辺り、
まだアメリカの方が救いがあるような気がします。
小泉さんも「偏りがある」とか何とか理由をつけずに
一度見てから、本当にダメな映画か判断すれば良いのにね。
食わず嫌いならぬ、見ず嫌いはもったいない。

もうすぐ同時テロから3回目の9/11がやってきます。
ニューヨークでは共和党大会が開かれる為、
騒動を避けたいニューヨーカーがしばらくニューヨークから脱出しようとしているシーンをニュースで見ました。
共和党が今回いつもとは違ってニューヨークで大会を開催するのは、
ブッシュ大統領のテロに屈しない姿勢を見せる為、
らしいのだけど。どうなんでしょうか。
アメリカ大統領選挙ももうすぐです。
また、アコギな手段を使いまくってブッシュ再選となるのでしょうか。
結果が分かるのももう少しです。

映画を見ていて、個人的にストーリーとは関係なく喜んでしまったのは、
オークランドのおじいさんがジムでブッシュの悪口を言ってたら
それを通報されて昼寝中にCIAが尋ねてきた、
というくだりでインタビューされている場所が、
おぉ、Lake Meritやんか、
と分かったこと。
オークランドに住んでたことがあったものですから。。
カリフォルニア、特にSan Francisco Bay Areaと呼ばれる一帯は
リベラルで有名ですから、ブッシュ批判をする人たちは
あのおじいさんだけでなく山といるに違いない。
通報されちゃった人も同じくらい沢山ね。。

日本にもマイケル・ムーア監督みたいなジャーナリストいれば良いのにな。

注1:英和辞書でbushとひいてみてください。
あ、隠語の方じゃあ無いですよ。
それにしても"bush"を用いた熟語にろくな用語がないですねぇ。。