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9月9日生まれの君へ

コイバナかもしれない

この前、久しぶりに「ざる」呑みして酔っぱらってしまった晩、
君の夢を見ました。
私がとんでもなく酔っぱらって、記憶を失った時、
一晩私を介抱してくれたのは、もう10年以上も前の出来事なのに。

同じ歳だけど、一浪だったから学年は一つ下だった君。
もう良い大人になってるんやろうな。
今でもこうやって時々君のことを思い出すのは、
多分、きっと、叶わなかった夢のせい。

君が入部してきて初めてのセッション大会で「Stand By Me」を歌う君の声に惚れた。
2年後、君にセッション大会で歌って欲しくて
Original Loveの「ヴィーナス」と「月の裏で会いましょう」のピアノ・ヴァージョンと
岡村靖幸の「友人のふり」の3曲のピアノ譜を
私のピアノに君の歌が重なることを想像しながら作った。
君も私とユニットを組むことに同意してくれて、
後は私のピアノで君が歌うだけだった。

なのに、それは叶わなかった。
サークルの運営のことでもめ事が起こって、
二人して巻き込まれてしまったのだった。
今となっては原因となった出来事を思い出せない。
それくらい、些細なことだったはずなのだけど、
あの時はいろんな人を巻き込んで大事になってしまって、
君を含めて多くの仲間がサークルを去ってしまった。
私の手元には歌い手が消えてしまったピアノ譜が残った。
君以外の他の人が代りに歌うなんて、考えたくもなかった。

そうして、今も日の目を見ることなくお蔵入りしたまま。
時折、思い出したように感傷と共に弾いてみたりすることもある。
これから先、君の代りに私のピアノで歌う人がでてくるやろか。

もし、君と再会して、この話を聞いたら
「あの時歌うと承諾したから、今でも良ければ歌いますよ」と
君はきっと言うだろう。
でも、それは丁重にお断りしたい。
ただ、私のピアノにあわせて歌って欲しいだけじゃないから。
私が聴きたかったのは、当時21歳だった何事にも熱くなれた
私たちの感性で「セッション」した音楽だったから。

9月になり、夜が涼しく長くなって、
「ヴィーナス」も「月の裏で会いましょう」も「友人のふり」も
私の心模様に寄り添って聴ける季節になったよ。
君は今、どこで何をして暮らしてるんやろ。
もう会うことはないけど、今日は君の誕生日。
学生時代のようにハーモニカ片手じゃないけど、あの頃のように
Happy Birthday to You.