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あの人と初めてコンタクトをとった日は、新月だった。
あの日、私はこの出会いは種であり、月が満ちていくように育っていくことを願った。
そんな風に願ったあの日から、月は何度も満ち欠けを繰り返し19回目のサイクルに入った。

私はまるで吸って満月、吐いて新月、みたいに呼吸をするかのように、
月が満ちた、欠けた。。
と流れる日々を月の満ち欠けのサイクルで眺めていた。
あれ?と思ったら満月だったり、
新月だったりしていた。
どうやら無意識に月のリズムとシンクロしていたらしい。

時には涙を流し、
そういえば今日は新月だった、
一つのサイクルが終わったんだ、
さぁ、仕切り直し
と自分に言い聞かせてきた。

そして私は新月を迎えるたびに、
もう一回仕切り直し思うばかりでなく
いつも一つのことをお願いしてきた。
難しいお願い事ではないはずだった。
相手に求めていることではなく、
私自身が変わることで得られるはずのものだった。





「天使ですよね?」
ある時、友人が言った。
「天使の名前って末尾に『エル』がつくじゃないですか、
ミカエル、ラファエル、ガブリエル。。
だから、名前を聞いて天使ってすぐ分かりましたよ」と。

・・サンダルフォンとかメタトロンだってあるじゃない。
そう言いかけて、友人がそんなことに詳しいとは知らなかったな、
と思ってやめた。

「天使でも、気むずかしくて分かりにくい天使かもしれない。
確かに、守ってくれてるような気はするんだけど。
でも、すっごく厳しい天使だな。。」

そういえば、ライブで背中に羽根をはやしたアキヒト天使が
願いは叶うと誰が決めた?笑わせんな!
神様だって そんなこと全然言ってなかった
オレは天使?オレは詐欺師?さぁ、どっちだ?

って歌ってた。

願いは叶うって誰が決めた?
心の中で反芻した。


「エミさんも天使ですよね?」
私が黙っていると友人は言った。
「・・え?」
「ほら、『エル』。。」
「・・あぁ、そうね、そうだったね。」

他の人にとっては天使でいられるのかもしれないけれど、
あの人のこととなると、私は羽根を失ってしまったかのように
自由に飛び回ることができず、地面に失墜してしまう。。
元々、私が持っている能力も封印されたかのように
あの人の前で、私は無力になる。

「同じ天使のはずなのに私は無力になるの。」
「エミさんでもそんな風に感じることがあるんだ。」
「羽根をむしりとられて、チカラも奪われて。。
なんでこんな風になったのか分からない。
どうしたらいいか分からないの。
ただ、立ち尽くしてるしかないの。」

「それってきっと、恋の病ですよ。」
「・・そう、、なの、、かな?」

「そうですって。
エミさんって、そういうところ、いつまでたっても初々しいですよね。」
友人は笑いをこらえきれないといった風情で言った。

「うーん、そう、なの、かな?」

アキヒト天使がまた歌う

オレは真面目な天使だから
誰かが傷付いてしまう前に
愛という名の偶像崇拝主義を
叩き潰す

ねぇ、ちょっと
そこのあんた、止めときなって
頼れるモノは己だけで
You know?
自分じゃない他の誰かに
理解求める事自体が
あぁなんて不毛な行為なんだろう
キレイ事じゃないんだよね、世の中。
                 「オレ、天使