コーラス

急に思い立って、シネフェスタで朝イチの「コーラス」を見てきました。

親を亡くしていたり、素行に問題のある少年達が集団生活している
「池の底」という名の寄宿舎の子どもたちの物語なのですが、
体罰を与える校長の厳しい教育方針で子どもたちの心が閉ざされ、
荒れているところから、音楽教師マチューの歌の指導によって
変わっていく様子など、子どもたちの様子が丁寧に描かれています。

子どもたちのコーラスそのものも素晴らしいのですが、
「サン・マルク少年少女合唱団」のボーイソプラノである
モニエ少年演じるピエールの歌声は、本当に「奇跡の歌声」でした。
「歌声を聴いたら涙があふれる」と絶賛されているそうですが、
映画の中で歌声を聴いた瞬間、大袈裟じゃなく涙がでそうになる美声でした。
ボーイソプラノは、少年たちの成長とともに失われていくものです。
一生のひとときしか持つことができない声だからこそ、はかなく美しい。

あまり書いてしまうとネタばれになってしまうのですが、
マチューから歌を取り上げられていたピエールが、伯爵夫人の前で
合唱を披露する場で、マチューから「歌え」と合図されて
歌い始めるシーンは、彼が心から歌う喜びを感じながら
歌ってる様子がありありと見て取れて、感動的なシーンでした。

それから、マチューがクビになって学校を去る時のシーンたるや!
これこそネタばれするので書きません、が、私も含めて周りの人たちが
一斉にハンカチで目元を押さえたのはシーン同様見逃せなかった。。

少年たちの歌声に、なんとも心が洗われる映画でした。
帰りにサントラを買ってしまいました。
歌声だけでなく、ストーリーも素晴らしい。
今年まだ4本目だけど、すでにイチオシ決定です。