イントロ

思うところがあって、このblogを始めた頃にはちょくちょく書いていたセクシャリティについて久しぶりに、しかもシリーズで書こうかと計画しています。1回で書ききるつもりでしたが、あまりにも長くなりそうだったので、少しずつ分けてアップしていこうかと。
このシリーズでは、あまり親切にいろいろと説明するつもりは今のところありません。だから、読んでも分からない人には分からない内容になるかもしれませんが、その辺りはご容赦ください。

では、第1回目。(何回になるか分からないけど)
今回のシリーズで書こうと思ったきっかけになった
ニューズウィーク日本版2006-1・25号の「ゲイ in Japan」特集から
イントロダクションのようなものを。

この特集の冒頭でレイザーラモンHGの話が紹介されている。
「ゲイは下品な人たちで、笑いものにしていいというレッテルを張ってしまったのではないか」
と危惧する人がいる一方で、
「彼はストレート(異性愛者)だけどゲイに対してフレンドリーだし、ゲイといえばウルトラ女性的な人という先入観を覆してくれた」
という人もいる。
実際のところ、ゲイのあいだでHGの人気は高いのだそうだ。

HGの存在は有名だから知っていたけれど、テレビをほとんど見ない私はこの年末まであの「芸」を見たことがなかったのである。
いろんな噂は読んだり聞いたりしていたけれど、実際に見た時、不快感を持たなかった。変な話、真面目な印象を受けたくらいだ。彼のキャラは作られたものだが、そこにゲイに対するリスペクトが感じられた。

その理由は何なのだろう、と思っていたところ、現在発売中の「婦人公論」2006年2月7日号にレイザーラモンHGの記事を見つけた。そこに今のキャラはアメリカンレスラーの恰好をしていた時に、舞台で先輩芸人から「お前、ハードゲイやないねんから」とつっこまれたのがきっかけとあった。
ゲイという言葉に先入観があり、イメージだけでやっていたけれど限界があり、キャラを作るために勉強しないといけないと思い、大阪でゲイの人たちが集まる街に出かけて話を聴いたり、ニューハーフのショーパブで有名な「ベティのマヨネーズ」でバイトをしたりして、きちんとリサーチし当事者たちとも話をして今のキャラを作っていったとある。そういったバックグラウンドと積み重ねによって作り上げられたキャラだから本物のゲイにも彼が受け入れられるのだと思う。

私自身、アメリカでゲイの多い地域に住み、レズビアンの割合がかなり高い学校に在籍していた経験があるため、ゲイ(ここでは男性を指す)は女性的というイメージはもっていないのだが、「ゲイ=おねえキャラ」が一般的なイメージなのかもしれない。

「ゲイといえばウルトラ女性的な人という先入観を覆してくれた」という言葉があるように、ゲイといえど十人十色、千差万別。男の中の男のような人もいれば一般的なイメージそのもののゲイもいる。

とりあえず、この場では「ゲイ」という言葉を男性の同性愛者を指すものとして使っているが、性的指向(Sexual orientation)は、異性愛と同性愛に二分化できない。性のグラデーションと呼ばれる巨大なグレーゾーンが横たわっている。

ゲイといえば「おねえ」っぽいというイメージがあるのなら、一般的なレズビアンのイメージはどうなのだろう。
宝塚の凛々しい男役?おなべ?それともフェミニンな女の子同士のイメージ?
良くも悪くもメディアに露出が多いゲイと比較してレズビアンは露出が低いため、社会的な認知も低く、ステレオタイプが形成されにくいのかもしれない。
というよりも、私が特殊な環境にで生活した経験があるため、ステレオタイプが見えなくなっているだけかもしれないが。
レズビアンも、いわゆるネコやタチと呼ばれる女役や男役、どちらもOKなリバ(リバーシブルの略)にMTFレズビアンなどなど、それはそれはいろんな人たちがいて、一目見たら分かる人から全然分からない人まで様々。
自分の周りには男女問わず同性愛者なんていない、と思っていても実は普通に存在している可能性は高い。
要は、テレビなどのマスメディアに出てくるような特殊な人じゃない、ということを頭の片隅に置いていただきたいのだ。

うーむ、イントロのつもりでこんなに書いてしまった。。
これでは先が思いやられるなぁ。