淀どの日記

通勤で通りかかる本屋さんの中古棚で発見。

淀どの日記 新装版

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先日、「茶々〜天蓋の貴妃」を観たところだったので手にしてみたら、和央ようかが表紙の新装版だったので思わず「買い」。

映画の原作ではあるけれど、映画とはストーリーが当たり前だけど違う。映画の中の三人姉妹は、いくらなんでもちょっと出来すぎというか美しすぎ。
政略結婚の後は、いろんな事情で敵同士になってしまったりすると仲良し姉妹を続けておれる訳がなく、そういったドロッとしたものも描かれていて、生身の感覚があった。
映画は観ながらかなり泣いてしまったけど、本を読みながらは、さすがに泣かなかったです。

父の浅井長政を伯父の織田信長とその配下の豊臣秀吉に滅ぼされ、義父の柴田勝家と母のお市の方を再び秀吉によって亡き者にされ、仇敵でもいうべき秀吉の側室となり、その子どもを産む。
天下人の嫡子を生んで頂点に上り詰めたかと思うと、最後は滅ぼされ、まさに壮絶な、筆舌に尽くしがたい人生。

淀君は悪玉、北政所は善玉」みたいな言われ方をすることが多いみたいなんですが、この作品では一人の女性であり、母親でもある茶々の姿が描かれています。
読み終わった時、ちょっとため息って感じかな。
ただ気が強いだけの人ではなかったんだなぁ、と。