セカンドバージン

連休中日、同じ23日に始まった「モテキ」と「セカンドバージン」のどちらを見るか悩んで、先に終わりそうな「セカンドバージン」を鑑賞。

NHKでドラマを放映している時、あんまり興味がなくて、仕事が早く終わった時、たまにチャンネルを合わせていた程度で、ほとんど見ておらず、ストーリーも知りませんでした。

で、今回の映画化の話も最初は興味なかったのですが、ノベライズされた「セカンドバージン」の文庫本を本屋で見かけて、その表紙に「大石静」の文字を見つけて「ハッ」としました。
実は大石静作品のファンなのです。
ドラマの時も、大石静の脚本と知ってたら、絶対に見てたなぁ。
ノベライズを買って読んだら、はまってしまい、ドラマはNHKオンデマンドで全部見て、これをどうやって映画化するのかと興味がでて、今回の映画鑑賞に至ります。

ストーリーそのものは、ドラマと同じです。
仕事一筋に生きてきた45歳の中村るいと、妻のいる17歳年下の鈴木行の物語。
アナザーサイド、ということで、ドラマで描かれなかった心の襞のようなものが描かれています。

行が亡くなったのは、ドラマではシンガポールでしたが、映画ではマレーシアに舞台を移しています。るいがマレーシアで行と再会し、中国マフィアに撃たれるシーンに出くわすという始まりはドラマと同じ。でも、ドラマを見ていなくても映画だけでも楽しめる作りになっていました。

ドラマでは後半があっけなかったけれど、行がるいの元を去ってからの時間について、描かれています。もちろん、二人の出会いなど、回想として出てきます。ドラマから持ってきたのではなく、全部映画用に撮影されたそうです。
ドラマとの違いを楽しみながら見ることができます。
マレーシアのうっそうとした、生命力にあふれる緑が印象的でした。

ドラマでは、亡くなってお骨になって日本に帰ってきますが、映画ではそこまでいきません。死が二人を分かつのは分かっているけれど、それをも受け入れようとする姿で終わるって感じでしょうか。エンディングは、見た人だけの解釈ができるようになっています。

私は、るいの足下にも及ばないけれど、結婚も経験したことないんですけどでも、今の会社に入った時、しばらく色恋なんて曖昧な感情はいらない、と思って働いてきたところがあるので、るいのセリフが時々、リアルに響いて、痛い気持ちになったりします。

途中、行の気持ちとして、すごーく強烈な言葉が出てくるシーンがあって、第三者としてはよく分かるのだけど、それでも
「これだから男ってヤツは」
なんて思った。
私も、こんな風に思われているのかもしれないな、とも。

エンディングは、そういう意味では少し、女性側としては、救いがあるのかもしれない。

カップルで観に行くのは、あんまりオススメしないかも。
一人でひっそり観るのがよさそう。