「た・か・く・ら」

 「た・か・く・ら」は、嘉門達夫私小説

た・か・く・ら

た・か・く・ら

 

 去年の冬に発売になったのは知ってたけど、「興味ねぇ~」と、手に取ったこともなかった。(↑これでホンマに10年来のファンなんやろか、私。。)

先日のアリオ鳳のライブで本かCDを買ったらサインをしてくれるというんで、
「じゃ、本にしよう」
という単純な理由で買ったのだった。

でも、ライブのMCで、嘉門さんの「た・か・く・ら」の話を聞いて、ちょっと心が動いた。
この本は、嘉門さんの幼なじみの高倉義和さんが余命三ヶ月と告知されてから亡くなるまでを描いた私小説。カバーのバッチ(敢えて)は、高倉さんが子どもの頃に大阪万博で集めたもの。

最期までオモロく、お葬式もオモロイものに。
どこまで本当のことで、どこまでフィクションがかかってるのか分からないけれど、最期まではっちゃけていて、こんな逝き方もあるのか、まさに大阪のオッサンならではやな、と思った。友人たちが支える姿がまたイイ感じなんである。
なんとか最期まで「オモロイ」人生をと、エエ歳した人たちがいろいろやっているのがほほえましい。決してお涙ちょうだい系の話ではないけれど、お葬式のところは、ホロッとしてしまった。

文体なんかも含めて、関東人にはあんまりウケない内容かもしれん。
かもたつファンなら、あれがあって今があるのか、みたいな読み方もできるかもしれない。
本屋で立ち読みしてみて、引き込まれた人にはお勧め。