マリー・アントワネット

TOHOシネマなんばで「マリー・アントワネット」を見てきました。

ソフィア・コッポラが監督をするというので楽しみにしてた映画です。
実は私、かの有名な「ベルばら」を読んだことがないのですが、子どもの時に「マリー・アントワネット」の伝記を読んだことがあって小学生だったかと思うのですが、何か響くものがあったのか、ストーリーをよく覚えています。その話と比較しつつ映画を見てしまいました。

見てみて、ソフィア・コッポラだからこそ作れた映画だって思いました。
徹底してマリー・アントワネットの視点から描かれていて、そこに嫌らしさがなく、とってもピュアで無邪気な一人の女の子であったり、お気楽に見えて超セレブであるが故の孤独を噛みしめていたり、一人の女の子(敢えて)としてもマリー・アントワネットを見た感じ。
子どもの頃に読んだ本で抱いたイメージを裏切られることもなかったです。
キルスティン・ダンストがハマリ役でしたね。
史実に忠実な映画ではないですけど、宮廷音楽とロック、ゴシックとポップが共存していてステキでした。重厚さと軽やかさの共存に加え、当時と現在が上手に融合されていて嘘くささを感じさせないあたりもさすがです。

そして、ウワサ通りのガーリー映画でもありました。
カロンの色がキュート♪ 数々のドレスも本当にカワユイ☆
靴が全てマノロ・ブラニクってのも目の保養でしたよ。
今でも履けるデザインばっかりでしたよね。

マリー・アントワネットは、華やかな部分ばかり見られていそうだけど母国の運命を背負って14歳でいわゆる政略結婚。それも結婚するにあたって、自分の国を全て脱ぎ捨て、結婚したら世継ぎをもうけるのがお仕事で。
日本の大奥みたいに正室がお飾りで世継ぎは側室に産ませるわけにいかない。
その辺りのプレッシャーたるや。。その上、召使いに服を着せられ、身なりを整えられ、大勢の前で食事をして。。見ていて、庶民で良かったと思ってしまったですよ。

一番ウケたのは、フェルゼンとのベッドシーンですかねぇ。
ベッドに横たわっているマリーの顔と青いリボンのついた白い腿までのストッキングに包まれた脚が見えて、残りの部分はマリーが手にしている扇で見えないんだけど、その奥は裸体なんだろうなと想像させる妙なエロさが感じられました。
一人のオンナになりたかったマリー・アントワネットの姿は切なかったけどとっても「母」なプチ・トリアノンでの姿もステキで、とってもチャーミングな人だったんだろうなぁって思いました。

毎度のことながら、あんまり書くとネタばれするのでやめますが、かわいいもの、美しいもので満ちあふれた目の保養にピッタリな映画です。
今で言うところのスーパー・セレブなマリー・アントワネットがなんとなく一人の女の子として身近に感じられる作品でもあります。
「ロスト・トランスレーション」では、なんとなく肩に力が入ってるのが感じられたけど、「マリー・アントワネット」はソフィア・コッポラが肩の力を抜いて素で作った、というか最初にも書いたけれど、彼女の育ちがあってこその作ることができた映画な気がします。

同じくガーリー映画という意味で蜷川実花が初監督する「さくらん」も楽しみにしています。