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「Romeo」と「モン・シロ」

岡村靖幸


このところ私の身に起こっていた諸々のことは、かなり私の心を
削ってしまっていたようで、ここ最近、私を気持ちを支えてきた
大好きな志磨の歌声さえ心に響かなくなっていた。
何を聴いてもダメで、もう、心が壊死してしまったのかもしれない、
とまで思った。
そうして、この2日ほど、音楽は何も聴かないで過ごしていた。

深い海の底にいるように、しんとした世界で座り込んでいたら、
昨晩、突然、右の方からささやきかけるようにチャカさんが

     Romeo 私をみつめて 知ってるはずのくちづけで
     Romeo あなたを知らせて 初めてのメロディーで
     時の魔法に消される前に


と歌いかけてきた。

PSY'Sなんて、最後に聴いたのはいつだったか分からないくらい前なのに。
どうして今頃、しかもRomeoがささやきかけるように聞こえてきたのか分からない。
大きく鳴り響くでもなく、ひそやかにチャカさんが私の耳元で、ずっと
Romeo・・と歌い続けてた。

私の頭の中で「?」が渦巻いている中、今度は、その声にオーバーラップして
「モン・シロ」が響き始めた。不思議なことに「Romeo」と「モン・シロ」が
ずっと重なり合って頭の中で響き続けた。
昨晩は、「Romeo」と「モン・シロ」が頭の中で一緒に響いた状態のまま
どちらを聴くでもなく過ごし、今朝の通勤列車の中でいつも携帯していた
岡村ちゃんのMDを入れて、「モン・シロ」を聴いてみた。
聴いているうちに、久しぶりに岡村ちゃんが私の中で再び響き始めるのを感じた。
それはまるで、アスファルトの上をヒールのある靴で 歩く時に生まれる足音の
ように、私の身体の中で鼓動のように 鳴り響き、動き始めた。

逮捕報道の時から、誰も私に岡村ちゃんについて書いて欲しいと
お願いなんてしてきていないのに、私は一人で
「頼まれても岡村ちゃんについて書かない」
と、勝手にへそを曲げていた。
理由は自分でもよく分からない。
書けない、なのか、書かない、なのかも分からない。
あちこちで岡村ちゃんについて書かれたものを読みながら、
心の中で、イーッって、おこちゃまのように
「私、書かへんもん。絶対、書かへんもん」
って、理由も分からず思ってた。

それが、私の中で岡村ちゃんが響き始めたら、また突然、岡村ちゃんについて
書きたい、という思いで溢れてきた。私がこれまで沈黙を守ってきた事件後の
諸々のことについて今から書くかどうかは分からない。
ただ、彼についてもう一度、私が書きたいと思うことを書いていこう、
と、書きたい欲が沸々と私から湧いている。

このエントリは「Romeo」が収録されているPSY'Sの「Non-Fiction」を
聴きながら書いているのですが、歌詞カードにモノクロの蝶の絵があるのに
気づきました。
ちなみにちなみに、PSY'Sのアルバムでは、切なく高揚させてくれる曲が満載の
「Non-Fiction」が一番好きです。
「Non-Fiction」を聴いていたら「Non-Fiction」を巡る甘酸っぱい記憶が
よみがえってきて、一人で恥ずかしがってしまいました。えへへ。。
それはまた、絶妙に岡村ちゃんとPSY'Sがシンクロしている記憶なのです。
これはまた、別の機会にでも。。