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some precious memories

なぜだかよく分からないのだけど、大学時代、私に多大な影響を与えた人のこと
をこのところずっと思い出しています。
学生時代に慣れ親しんだ路線に乗った話を書いたせいか、それとも、
彼が敬愛するトゥーツ・シールマンスの来日が決まったせいか、お互いの誕生日が近いせいか
理由はよく分からないのだけど、このところ思い出したことがなかったから
自分でもどうしたのかなぁ。。。と思ってます。いわゆる恋バナではないのだけど、
書いたほうがすっきりしそうだから書いてみよう。

大学時代を通じて心からお慕い申し上げた人がいました。
自分の人生を大きく彩る人との出会いは、奇妙なまで鮮明に覚えているもので、
出会った時の相手の顔や発した言葉は、今でも容易に思い出せます。
当時5回生のサークルのOBで、出会ったその日は、練習場でお互いがサークル
メンバーに対して自己紹介するのを見ただけで、お互いがお互いを意識する
ことは一切ありませんでした。
One of themな出会いの後、彼と再会したのは1回生の全体ゼミで彼が個人的に
やっているボランティア活動の宣伝をしにやってきた時でした。練習場で見かけた人、
という程度の認識の私と彼を結びつけたのは当時私が所属したゼミの先生でした。
後々分かることですが、偶然にも彼の所属ゼミと私の所属ゼミが4年とも同じだったのです。
私がハーモニカのサークルに入っていることを知った先生は、サークルのOBである
彼がやっているボランティアに関わったらどうか、と勧めたのでした。

彼は、自閉症の人たちが外に出る機会を作るのに週に1度遊ぶ、ということを
していたのですが、自分は5回生になり、一緒にやっている仲間も4回生になった
ので後継者探しをしていたのです。私自身、後継者になるつもりはなかったので
すが、うまくはめられたと言うと言葉は悪いけど、2回生以降は主催者になって
4年間ずっと活動を続けて次世代に引き継いで卒業したので、結果的に後継者に
なってしまいました。

自閉症の人たちと関わることにした時
「慣れるまで自閉症について調べないこと」
と言われました。障害について知ることで偏見を持って欲しくない、
障害者ではなく、一人の人間として接して欲しいのだと。
彼からはいろんなことを沢山教わりました。直接教えてくれなくても、
後ろ姿を見て学んだことはたくさんあります。
数え切れないくらいの「初めて」を体験させてくれた人でした。
彼から良いことをたくさん学んだけれど、お酒やタバコ、授業をサボる自主休講など、
悪いこともたくさん教えてくれました。彼から教えられたことを取り除いたら、
とても薄っぺらな人間になってしまうのではないかと思います。
(あ、タバコはもう止めて10年以上経ってますから、念のため)

本当に心からお慕い申し上げた、という言葉がピッタリでした。
その慕いっぷりに相方が嫉妬したくらい。
敬愛してやまなかったけれど、男と女の。。みたいなのは一切ありませんでした。
そんなものは超越してしまった関係でした。
私が出会った時には彼女がいましたしね。私が彼女のことを話してくれるよう
せがまない限り、話してくれることはなかったけれど、彼がどんなに彼女のこと
を大切にしているか、ということはサークルの他の先輩方からよく聞かされて
知っていました。一度だけお見かけしたことがあるのだけど、「とっても綺麗な
女の人だなぁ。。」と思っていたら、その人が彼女だったのです。
ちなみに私がアメリカ留学をしている間にその彼女と結婚されました。

大学時代、好きになった男性はいたけれど、ステディな関係になる人がついぞ
できなかったのは、彼の存在が大きすぎたから。彼が結婚してしまうまで、
私がステディな彼氏を作ることはないだろう、と思ったのだけど、事実、
その通りになってしまいました。
私がひたすらお慕い申し上げ、彼は裏切ることなく存分に応えてくれた。
今思えば、とても幸せな関係でした。
大学を卒業する時、「あなたがいなければ私はこんな風に成長しなかった」
と、どんなに影響を受けたか、どんなにお慕い申し上げたかを、改まって
伝えたら「僕は他人に影響を与えることができるような人間じゃないよ。」
と静かに言ったのを今でもよく覚えてます。

多大な影響を受けた人だけれど、私がアメリカから一時帰国している時に
1回会った記憶があるのだけど、もう8年くらい会ってないでしょう。
また再び会いたいとは思いません。
過去の良い思い出のままにしておきたいのです。
こんなこと書いているのを読まれたら、私の肩を軽くこづいて
「勝手に過去の人にせんといてくれる?」
と言われそうです。もし会うことがあるなら、いつか私が結婚すると決まった時に一言
「きれいになった」
と言ってもらいたい。それだけです。
語り尽くせないほど多くの大切な思い出がありますが、出し惜しみじゃないけど、
やっぱり書けないな。。

とってもとっても蛇足ですが、映画「学校2」の原作になった鶴島緋沙子さんの
「トミーの夕陽」に彼がモデルになった人が登場します。
残念ながら、私らしき人は登場しません。いるのかもしれないけど。
森瑤子が「小説は根も葉もある嘘」と言ったけれど、この本を読んで、
その通りだなぁ、と感心しました。