見合いの顛末(その4)

喫茶室に入ると、初めにいつも相手の男性を後ろ姿から見ることになる。
一番、ドキドキする瞬間。
とりあえず、今回のお相手の頭は薄くなりかけてなかった。

喫茶室で相手の向かいに座る時は、いつものことながら顔を上げられない。
お見合いおばさんがお互いを紹介してくれたけど、チラリと顔を見るだけ。
相手を見た瞬間、「なんだか役所に来た気分。。。」まんま公務員だった。
「可も不可もなく、NG」といった印象だった。

今回は私の母が来ることができないので、先方も本人のみだった。
余計なギャラリーが少ないのは、良いのか悪いのか分からない。
ギャラリーが多いと、当人よりもギャラリーが話をしていてくれるから。

席について、お見合いおばさんをはさんで3人で、
いつものようにコーヒーを頼む。
お見合いおばさんが適当に個人的な話をしたりして、
なんとなく寛げるようにしてくれる。
全然、リラックスなんてしないけど、NGとは思いつつ、値踏みをする私。

毎度のように、大体30分が経過したところで

「後は若いお二人で」

とお見合いおばさんが
席を立つ。こうして二人きりにされてからが勝負。。。
どうやって失礼にならないように逃げようかと思いを巡らすのだった。
最初に

「結婚は全然考えてないんです。ごめんなさい!」

と謝ってしまおうかとも考えてたけど、本気な人の前で言えなかった。