ヘルタースケルター

蜷川実花監督の二作目「ヘルタースケルター」を鑑賞。前回の「さくらん」は劇場で観ることができなかったけど、これは絶対に劇場で観たいと思って、早々に映画館へ。

水曜日ということもあって、とにかく女の子でギッチリでした。

岡崎京子の原作本を持っていて読んでましたので、蜷川監督ならあの世界観を映像化してくれるだろうと楽しみにしてました。主人公のりりこ役の沢尻えりかも、適役かと観る前から感じてました。

実際に観てみたら、ここまでやるんだ!という驚きの連続。岡崎京子の原作は、約20年前のものだけど、今に通じる。というか、今の方が、より、しっくりくるかもしれない。あくなき美への欲求、消費されていく世界。男の人には理解しにくいかもしれないけれど、女の人であれば、多かれ少なかれ、皆、自分の中に「美しくありたい」という「タイガー・リリィ」はいる。

映画は、原作よりも設定が少し変わっていたりするけれど、原作を損なうことなく、より自然に観ることができたかな。徹底的に女性視線なのが良いです。りりこは、女の子が憧れる女の子。男がどう観るか、ではなくて、女がどう観るか。

ストーリーそのものは、一人の女の子が墜ちていく物語で、少々キツいものがありますが、ここまで振り切れるなら良いかも、という小気味良さはあるかも。

原作の最後の最後のシーンまで映像化するとは思わなかったなぁ。原作を読んでいる時には最後のシーンの意味が分からなかったのだけど、映像化されたものを観て、フッと感じるものがありました。希望、なのかな。

ストーリーだけではなく、蜷川実花の極彩色の世界は、ニナミカ好きには必見です。