セルフポートレイト


現代芸術家の澤田知子さんの記事があったというのも1つの理由で今月の
婦人公論」を買ったのですが、彼女の記事はなかなかおもしろかった。

400人分の証明写真を撮った「ID400」、30人分のお見合い写真の「OMIAI♡」、
女子校の集合写真シリーズの「School Days」などが有名ですが、
他人を撮った作品ではなくて、全て澤田知子さんご自身、つまりセルフポートレイトなのです。

どの写真も澤田さん自身なのに、見る側はその外面でいろんなことを判断してしまう。
OMIAI☆投票」で、30人分のお見合い写真が並んでいて、
どの娘が良いか投票できるのですが、よくよく考えたら全員が同じ人なんですよ。
人はいかに外見にとらわれているのか、もしくは、いかに外見が大切か、と思います。

特に印象的だったのは、
やっぱり「ID400」からずっと、「外見と内面のこと」が気になるんですよね。
自分が思っている「自分」と他人が思う「自分」、自分が思っている「外見」
と他人が見た「外見」。外見によって他人から想像される「自分」と、
実際に仲良くなってからの印象の違い。ずっと外見と内面の「関係」と表現して
いたんですけど、今は外見と内面の「こと」のほうが自分の感覚に近いかなと
思います。

という部分。

これまでも、私は最初の印象と実際のギャップが激しい人、と言われがちでした。
でも、それって何だ?って思う。
外見から想像されるあなたの中の私の印象と実際に接してみた時のあなたの中の印象が食い違っただけでしょ、と思ったり。
他人への印象なんて、自分の考え方、ものの見方によってフィルタリングされた主観的なもんですから、しょせん。
上野千鶴子がずいぶんと前に、インタビューについて書いた時、
他人はほんとにさまざまな先入見を抱いてやってくる。
(中略)
「イメージとちがって、びっくりしました」というインタビュアーもいるが
それはわたしのせいというより、本人の予断と偏見を語っているにすぎない。

とあって、妙に納得したものだった。
Annexを始めてから、ネット上でも私のギャップに驚かれる方が多くなりました。
どちらの私も同じ私で別人じゃないんですけど。
blogで見せるいろんな私は、写真じゃないけど、一種のセルフポートレイトの気分なんですよ、実は。
良い意味でみなさまの私への印象をこれからも裏切っていきたい。。