スウィーニー・トッド

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」をなんばパークスシネマで観てきました。

ティム・バートンジョニー・デップのコンビなんですけどファンタスティックなものを期待したらいけません。スプラッタが苦手な人は、ジョニー・デップのファンでも避けた方が良いかと思われます。なかなかグロかったです。

オープニングが雨のしずくの中に赤いしずく(「」ですな)が混じりパイを作る流れ作業のシーンに何とも言えない鮮やかな赤い水(くどいけど「」ですな)がまとわりつくように流れていってストーリーを知らないでこれだけ見てたら、色の対比がキレイねぇってな感じなんですけど、ストーリーをある程度知って見ているとこれから起こることがここに集結されていて、見方を変えるとかなり怖いものでありました。

ミュージカルの映画化なのですが、王道っていうか、セリフが歌に変わっていくそのまんま。
ストーリーは、判事に美しい妻に目をつけられ、無実の罪で流罪になり、やっとのことで妻と娘のいるロンドンに戻ってきたと思ったら、妻と娘が奪われてしまったことが分かり、自分を罠に陥れ、人生を狂わせた判事に復讐しようとして。。という感じ。

カミソリで次々と喉を切り裂き、殺害していくシーンは、ホンマとってもグロいです。でもティム・バートンだから、キワキワな部分で上品さをキープしてる感じ。これがタランティーノだったら良い意味でお下劣になるんでしょうけど。

愛しているがゆえにつく嘘、引き離された時の姿ばかりを思い描き過ぎ去った年月の間に老いて姿が変わることに気付かない皮肉、復讐に燃えるばかりに自分を支えてくれている人に見向きもせず一方でどんなに想っていても報われない。
それぞれが一方通行の思いが行き交って悲劇が生まれたって感じ?

全体的にモノトーンなんですけど、色遣いがとても印象的な映画です。
エンディングは、息をのみました。
救いがないような、考えようによってはあったような。
そういう映画です。
ミュージカルを観たことがある人には、また違った感想があるのではないかと思われます。