引き継ぐ人、引き継がれる人

私の働いている会社では、産休や結婚退職などによる引き継ぎが佳境に入ってきている。
今回の引き継ぎは、どれもマネジャのお仕事。
マネジャ業ってのは、マルチタスクでなかなか過酷だと思う。
年々、仕事の内容の密度が高くなってきて、要求される水準も非常に高くなってきてる。これは、私が今の仕事について5年以上経ったからこそ、要求水準が高くなった、というよりも、業界全体で発生しているような気がする。

同じ部門のマネジャ嬢は、産休突入までカウントダウン状態になってきて、いつもとっても穏和な人なんだけど、後釜にはちょっと厳しい目。
ミーティングでも
「一つの仕事をやってる分には良いけど、かけもちになるとちょっと不安が。。」
と、後釜について語っていた。

熟練マネジャの仕事を、たったの2ヶ月で同じレベルでこなせるようになんて同じ業界からやってきた人ならいざ知らず、異業種から参入してきた人にはちょっとムリだと思う。私がやんわりと、
「私たちも仕事を始めた頃って、一つ何かしたら他のことってできなかったじゃ
ない。」
と、マネジャ嬢をたしなめると、
「そうですね。」
と返事はしても、やっぱり焦りは隠せない。
私が入った頃は、今と比較したらとってものどかだった。
当時も大変大変と思ったけど、今となってみたら、なんて優雅だったのだろう、と思う。時代のスピードというのは情け容赦ない。
ネットの普及やいろんなテクノロジーの発展に追われているのと、昨今の不況による価格破壊などで、仕事の大変さだけがアップした気がする。
私は、今の会社初のマネジャだったから、自分で道を切り開かないといけなかったけど、でも、本当に優雅だった。
上司から、
「仕事になれるには1年はかかるよ。」
と言ってもらって、焦ることなく我が道を行けたというか、なんというか。

別の部署でも、引き継ぎが行われているのだけど、そこも、かな~り過酷で、早く仕事を覚えようと頑張りすぎたというか、そもそもの仕事量の多さ、要求されるスピードと質、それからプレッシャーに後釜の人が壊れてしまった様子。通勤途中で倒れたり、ドクター・ストップがかかったり。なんともいたわしい。自分が休んでいる間に、前任者が会社を去る期間が迫り、焦るなんてもんじゃないだろう、と、察する。
小さな小さな会社だからスペアがいなくて、こういうとき、本当に大変。
でも、皆で助け合えば、なんとかなる。
一人くらい欠けたところで会社はつぶれない。
ま、周りはとってもとってもとっても大変になるけどね。

とりあえず、引き継ぐ人も、引き継がれる人も、必死な今日この頃。
ふと私も、自分が今の仕事を辞める時はどんなんかな、と思った。
大変は、もちろん、大変なんだろうな。

その前に、私と同じ部門のマネジャ職が二人もほぼ同時期にいなくなるから、しばらくはフォローに追われるんだろうなあ。。。
それもそれで「大変」か。