シャツの端布

この4月25日は尾崎豊の15回目の命日なんだそうな。
1992年に26歳で亡くなってから15年にもなるのか。
私自身はとりたててファンではなかったけど、当時の私の世代は尾崎に心酔している人が多かったように思う。

尾崎と言えば思い出すのが岡村ちゃんだ。
友だちがプレゼントしてくれた、岡村ちゃんと尾崎がまるで子犬がじゃれあうかのように二人で歌い、ステージを走りまわってる「YOUNG OH OH」の映像を思い出してしまう。びっくりするくらい、二人とも若い。というか無垢な感じ。

尾崎豊が亡くなった日のことは、なぜだか今も鮮明に覚えてる。
あれは、大学2回生の新歓コンパの翌朝のことだった。
大学の近くの先輩宅で夜を明かし、早朝バイトに向かうために 始発だったか2本目だったか、 なんせ出町柳から淀屋橋に向かう京阪電車の中のことだった。 ガラガラの車内で、同じパートの先輩と二人、気怠く座っていたら、 尾崎の死を報じたスポーツ新聞が床に落ちていたを見つけたのだった。 人が亡くなったというのに、朝の陽の光とシートの緑色が やけに目にまぶしかったんだ。

「一つの時代が終わったな」
そんなふうに、先輩は言ったと思う。
とりたててファンだった訳ではなかったはずだけど、大きな何かを失った気がしたんだ。

あれから15年もたったか、と、思う。
そして今年の夏に「Maiden Voyage(処女航海)」というタイトルの写真集が出版され、その特典として、尾崎豊がステージで実際に着ていたエンジ色のシャツを裁断し、パウチ加工したものが付いてくるというニュースを見つけた。
故人が身につけていたものの一部が特典として付いてくるというのはファンにとってはどうしても欲しいものなのかな、なんて思ったり。
私個人としては、ちょっと怖い気がしたので。


ちょっと話はズレるけど、「Maiden Voyage」といえばハービー・ハンコック
なのに、なぜかチック・コリアを思い出してしまった。
会社の休憩時間は、しゃちょーの趣味の音楽が流れるのだけど、この数日は「スペイン〜ベスト・オブ・チック・コリア」が流れてるからかも。
学生時代に私自身が演奏したことないけれど、「スペイン」を聴くと、気持ちがサワサワしてしまう。理由はわかんないけど。


<追記>
改めて「スペイン」を聴いたら、曲のイントロが「アランフェス協奏曲」なのね。
アランフェスは演奏したことがあるから、気持ちがサワサワするのはアランフェスのせいだわ、きっと。