天使の卵

村山由佳さんの小説「天使の卵」が映画化されるというニュースが流れてから1年ちょっとが過ぎ、映画の公開が始まりました。
原作ファンとして、ドキドキしながら動物園シネフェスタまで見に行きました。

春妃を小西真奈美が演じると知った時に、なんとなく原作のイメージが壊れないだろうという安心感を持ったのですが、実際に見たところ個人的には
あぁ、春妃ってこんな感じなんだろうな
って思えました。
歩太を演じた市原隼人も19歳の真っ直ぐでピュア、でも偏屈で繊細といった複雑な感じを上手に表現していて、嫌らしさが見受けられなかったのがとっても良かったです。
8歳の年齢差のある恋愛物語ですから、お姉様と少年みたいな感じになったら見ちゃおれねぇと思うのですが、そういう心配は無用でした。「透明感」があって「みずみずしい」という言葉がぴったりな映像でした。

ストーリーはネタばれするから書きませんけど、(原作を読んだことがある人もかなり多いと思うし)ハッピーエンドじゃない美しいけど悲しいお話です。
原作ファンとしては、どうしても「あ、ここが原作と違う」などという眼差しで見てしまったのですが、不自然さはなかったと思います。
物語の舞台は京都じゃないけど、京都ロケだったそうで、既視感のある風景がたくさん出てきて別な意味で楽しめました。特に嵐電の風景とか。。

「人は人によって傷つくけれど、人によって癒される」という当たり前のことが描かれています。テレビのスペシャルドラマで続編の「天使の梯子」が放映されたので、こちらも併せてみたのですが、この辺りが映画からうまくリンクして描かれていたと思います。実は「天使の梯子」文庫本になってから読もうと思って未だ読んだことがないのですが、いつかの楽しみにとっておきましょう。