戸惑うこと

高校時代は、男女交際は校則で禁止だった。
お化粧も禁止だった。
学生だから勉強していれば良かった。

大学時代は、
女の子らしくなりなさい、と美しく装い、
化粧もたしなむのが良しとされた。

大学を卒業したら、
女の子は美しく装い、お化粧もし、彼氏がいることが良し
ということになった。

ステディな彼氏がいても、男の人と寝る、という行為については
あまり良く思われない。
桃のように「きずもの」と言われたりする。
今でこそ変わってきたけど、子どもができたから結婚、
というのは順序が違う、と恥ずかしいことだった。

結婚すると、それまではしたないこととされてきた
セックスという行為が推奨される。
さぁ、セックスしましょう
とは誰も言わないけど、
「子どもをつくらないの?」などと暗に推奨する。
結婚前の妊娠はタブーだけど、結婚してからの妊娠は


基本的におめでたいこととされる。
欲しいのに子どもができないほうが良くないことになる。

その時その時で、基準が変わるのは当たり前のことだと思う。
でも、それに戸惑う私がいる。
昔は、真面目に勉強さえしていたらほめられたのに、
今じゃ、身なりをもっと女らしくしろ、
だの
化粧をしろ、
だの、
彼氏がいないのはかわいそう、
だのと、以前は禁止されていたことが推奨される。

で、結婚したらそれまで
「フジュンイセイコーユー」とか「コンゼンコーショー」
などと呼ばれて忌み嫌われていたセックスが
推奨され、一種の義務になる。
そんな風に、ころっと変わってしまう価値観に戸惑ってしまう私は、
波に乗れずに立ち止まってしまっている。

そんな私を人は
いつまでも大人になれない人
と言うのかもしれない。