自虐の詩

なんばパークスシネマにて「自虐の詩」を観てまいりました。

舞台が大阪というのと、あのちゃぶ台返しと、パンチパーマの阿部ちゃんと「嫌われ松子の一生」から薄幸な女性も似合うようになった中谷美紀が観たかった理由です。

最初はちゃぶ台返しとか不幸っぷりが笑えるのだけど、後半は噂通り、泣けるつくりになっておりました。
原作のマンガも泣けるという噂ですけど、私の上司が
「・・・泣けなかった。。」
と言っていたので、万人が泣けるものではないらしいと、勝手に判断し、泣かないであろうと思っておったのですが、
え、マジ?こないに泣けるなんて。。
と、途中で大焦りした私でした。

壁が薄いアパートで、隣に住んでるカルーセル麻紀演じるおばちゃんがちゃぶ台返しの音を聞いては
「ふびんやなぁ」
と言いながら、正マークで「今年イサオがちゃぶ台をひっくり返した回数」をカウントしていて
「ちょっとっ 今年に入ってちゃぶ台ひっくり返すのん、36回目やで!」
なんて言ってるかと思えば、セックスしている音&声を聞いて別の場所に「和交」なんてこれまた正マークでカウントしているのが、なんともおかしかった。何をやっても筒抜けってやつですね。

出演者がなんとも味わい深い人が多かったです。
大阪だから吉本の人もでてましたねぇ。
中でも、Mr.オクレは面白かった。キャラそのまんまっていうか。
誰も彼もが濃いぃキャラで、それだけでゲップがでそうでした。(良い意味で)
書き始めたら長くなりそうなので、興味のある人は映画を観ていただきたい。

セットも面白かったです。特に「なにわ中央警察署」のポスターたちは笑った。
外にでかでかと「人生あきらめんな!」
窓にはずらずらーっと
「私達は外で大をしません」
「私達はオレオレ詐欺をしません」
「私達は泥酔して道で寝ません」
なんてのが並んでるし。
他にも、なんじゃそりゃーってツッコミたくなるものが多々ありました。

前半は、こんなにダメ男のイサオになぜ幸江がこんなに尽くしているのか?
と思わせておいて、後半はその謎解き(と書くと大げさだが)になっていて、後半は泣けました。やられたーって感じ。
原作を読んだことある人はともかく、そうじゃない人は、余計なことを考えずに観に行ってもらいたいと思います。

それから、この映画はエンディング・ロールの終わった後におまけといいますか、プレゼント的なシーンがありますので、くれぐれも場内が明るくなるまで席を立たないようにしましょうね。でないと、すっごく大事なシーンを見逃してしまうことになりますよ。