くまちゃん

もう10年近く前の話。
大学時代に映画を見る、という行為にはまったのだけど、
ある時に、サークルの仲間♂が

「くまちゃん」という映画が良かった
Jazzがすごくかっこよかった。


と勧めてくれた。

私はそのセリフを解さなかった。
というのも、ヤツはそれまで
Jazzって俺には分からん。
と、常々言っていたから。

くまちゃんを見に行って、私はさらに分からなくなった。
何で、どうして、この映画でJazzが良いと言ったのか。
ヤツは草刈政雄のファンでもあった。だから、
映画の中の草刈政雄が良かった
とでも言えば納得したのだ。
でも、
Jazzが良かった、カッコ良かった
と、ヤツは宣ったのだ。

確かに映画内で流れたJazzの選曲で私には良かった。
でも、初心者がいきなり感激できるようなものでもないと私はふんだ。
スウィングじゃなくって、いきなりハード・バップ・ジャズが流れるんですぜ。
オールジャンルを演奏する音楽サークルで、Jazzもやってきた中で
これまでJazzを毛嫌いしていた輩が、いきなり趣旨変えするには
ちょっと難しいと思われる曲ばっかりだったと記憶している。

なもんで、私はヤツが「くまちゃん」を見てJazzが良い、
といったことが理解できなかった。
その後、ヤツがJazzを聴き始めた、という話も聞かなかった。
(今、現在は知らないよ)

いつだったか私がそんな事をぼやいたら、サークル仲間の一人(♀)が一言私に言った。
『くまちゃん』って彼女が見に行きたがったから行ったらしいよ
と。

。。。。

私が勧められて見に行ったけどよく分からなかったことをぼやいたら、
「彼女と見に行った」というシチュエーションが良かったんでしょ。
と言われた。
確かにそうだ、そうに違いない。
お勧めされて、マジで一人で見に行った私はバカを見ましたさ。

ちゃんちゃんって感じ?