新たなお見合いおばさん

去年は6回もお見合いをしたのに、今年に入った途端、パッタリと縁談が途絶えておりました。
会社の新年会で「今年は結婚する」という抱負を語ったにも関わらずなーんの進捗もなく、むしろ後退しているかもしれないという体たらく。私自身、仕事に追われて時間を意識している暇もないまま、6月を迎えてしまい焦るも何も、な、状態。

そんな中、「お見合いじゃないけど、お世話したいという人がいて。。」
と母から話があり、はたまた私の予定なんて一切鑑みられることなく、勝手に予定が決まっていた。
相変わらず拒否権なんて最初から認められておりません。
さすがに今年は自分で「相手は決まってないけど結婚する」宣言をしたが故に「お見合いもご縁のひとつだから。。」と、淡々としていました。
でも、前日からまた例のごとく病気が発症したというか、精神的にひどく滅入ってしまっている自分がいて、「なんて分かりやすいんやろ。。」
なんて、自分で自分にトホホホホ・・・でした。

日曜日の朝、ずいぶんと前に母から与えられた服を着て、これまた母から与えられたバッグを持って、要は母世代にうけるアイコンってのを身につけて、どこか途方に暮れている私がいた。
こんなの、本当の私じゃない。
そんな風に思ったりするも、こんな私も私の一部であって別者ではない。
すべてはホントでウソかもね って、これは米米クラブの歌か。

お見合いおばさんは本日、2件のお見合いのお世話をしておられて、本当だったら1件目と2件目の間にお会いする予定だったのが、うまく会えなくて2件目の後にお会いしました。
「かいらしお嬢さんやないの。」と言われ、
「ありがとうございます」って答えたら良いのかどうか悩む。
釣書の内容を写真をチェックされて、「商品」みたいと思う。
小倉千加子は女の子は家族にとって「桃」みたいなものだと書いてた。
男ができることを「虫がつく」といい、
虫が桃を食ってしまう=傷がつく、で、高値で売れなくなる。。
だから「傷モンにしたんやったら(もうヨソに売れないから責任とって(娘を嫁にもろたって)んか。」
ってなことがまかり通った訳ですが、今時は初物の状態で結婚する人なんて、ほとんどいないでしょうから、破瓜程度で傷モンなんて言うことは稀だと思われます。
さすがに子どもができてしまった場合は、「責任とって」が今でもかなりの度合いで有効かと思われますが、傷もの意識は低くなったというか結婚のための戦略の一つのような気もします。

釣書を眺めながら「妹さんは結婚してはるんですね。」と言われ、母が
「真ん中の娘は先に片付きまして。。」
そう、なかなか嫁にいかない娘は高値で売りたい「桃」じゃなくて、もはやどこかにやってしまいたい「お荷物」なんである。
今の私に必要なのは私というお荷物を収納してくれるクローゼット、もしくは押し入れなんである。

そんな冗談はさておき。。

「学歴は同じくらいが良いですか、低くても大丈夫ですか」とか
「年齢は5〜6歳上が良いですよね」とか尋ねられる。
学歴は相手が私の学歴を気にしなければどうでも良いです。
学校を卒業して10年以上経てば、学歴よりも、その人となりの方が大切ですから。年齢は、5〜6歳上なら5〜6歳下の方が良いのですが結婚相談所ならいざしらず、お見合いおばさんがお世話してくれるようなお見合いでは、そんなの基本的にあり得ない世界ですわね。
これまでに何人ものお見合いおばさんに会って話を聞いてきましたけど、どのおばさんもいつも一つだけ同じことを言います。
「男の人は年齢が上がれば上がるほど若い女の子と結婚したがる」
これってなんででしょうねぇ。
お見合いおばさんの頭の中ではさっそく、「この人はどうかな?」と思う人がおるようでした。
とりあえず本日はご挨拶だけでおしまい。

「結婚したい」と思っている自分にとって、これは良い機会のはずなのに身体がぎゅっと硬くなって、イヤだと思うよりも悲しくて泣きそうになってる自分がいて、「結婚したい」と紛れもなく思っているハズなのに、どうして拒否反応が出てしまうのか、心底では、結婚なんてしたくないと思っているのか?
世間の「結婚圧力」を感じて悩み、年々強くなるその圧力に押しつぶされそうになって、圧力に屈したと思いたくないから「結婚したい」と自分で思いこませるようにしているのか。「結婚したい」って言ってるだけで出会いを求めようとしてないやん、私。。 本当のところはどうなん、どうなん?と、自問してた。
でも、自分でもよく分からない。で、これまた毎度のことながら、一人になったら泣いとった私。ほんっと成長してない。
なんで拒否反応がでるんやろ。拒否というよりも恐怖が勝ってる感じ。


大学を卒業する頃、「10年後の私」は結婚して子どもがいると書いていた。
結婚は遅いだろうけど、さすがの私も30歳には結婚しているだろう、
みたいなことを書いた記憶がある。30歳までには結婚に導かれる出会いがあって結婚するものだと何の疑問もなく信じていた。今から思うに、22年も生きてきた中で「彼氏」というものを作ったことがなかったヤツが、疑いもせず30歳までには結婚するもんだと思っていたあたりがオカシイ。
でも、そういう時代だったんだと思う。
27歳くらいの時に結婚願望みたいなものがあった時期もあるけど、28歳くらいで憑き物が落ちたかのように結婚願望が消滅してしまって、気づけば30代半ば。。
結婚ってこんなに難しいものとは思ってなかった。


年頃の女の子ならスウィートな結婚観を持ったりするんでしょうけど、
私の中での結婚ってのは男性が言うところの「恋愛の墓場」よろしく「自由の墓場」な意識で、結婚してしまったら自分の好きなものは諦めて夫をたてて家庭に縛られるものだと思っていた。
アメリカで女性学を専攻していたくせに、結婚に対する意識は超古風っていうかフェミニズムを勉強しても結婚観が変わんなかったのね。
だから、結婚するまでに遊んでおきたい、とか思ってたのだけど、そもそもが真面目な私が遊べるわけがなく、代わりに仕事に勤しんじゃってた。
妹が結婚して、彼女の結婚生活や30歳を過ぎて結婚した他の友人の生活を見て「結婚って悪いものではないらしい。」と感じるようになったのでした。
まず、結婚に対するイメージが非常に悪かったんですな。


恋愛だって、簡単だと思ってた。
けど、極度の男性恐怖症が災いして、私にとって恋愛は簡単じゃなかった。
今でも恋愛もあきらめたくはない、と思ってる。
でも、どんどん恋愛に対して臆病になっている私がいる。
元々が臆病なのに、その臆病がさらに重傷化していることを自覚していて、男の人のこととなると、ひたすらナーヴァスになっていく自分がいて、一人で空回りばっかりしている自分がいて、そんな自分を「それじゃアカンやろ」と、つっこんでいる自分がいて、でも、どうにもできなくて。

あぁ、どうしたいんやろ、私。
もう疲れちゃったよ。