初々しかった頃

つきあい始めの頃、彼氏に友達から電話がかかってきて

「新しい彼女ができた」

と言ったら、その次に必ず聞こえてくるセリフがあった。

それは

「日本人」

という一言。

なんでそんなセリフが出てくるかと言うと、
彼氏にとって、私は初めての日本人の彼女だったのだ。
最初がドイツ人、次がアメリカ人ときて、私。
仲良しの友達のほとんどが外国人で、親友はスペイン人。
彼氏の友達と遊びに行ったりすると、みんな国籍が違って
驚いたもんだった。

そんなんだから、友達に「新しい彼女ができた」というと
二言目には

「今度はナニジン?」

と質問されたらしい。
彼氏が「日本人」というセリフを言うたびに、
あぁ、また尋ねられてる、と思ったもんだ。

日本人とはいえ、つきあい始めた頃は、3年半に渡る
アメリカ生活を終えて日本に帰国して半年足らず。
日本人だけど、いわゆる「帰国子女」ってやつだったので、
当時は外国人寄りだったのではないか?と思う。

今じゃEmmeryの彼氏は「だめんず」と言われることが多いが、
日本に帰国したての頃の私にとって、
破天荒な生き方をしてきた彼氏が楽だったんである。