花の生涯

ゴールデンウィーク中に、久しぶりに映画を観ました。
観たのは、「花の生涯梅蘭芳
大学時代に「さらば、わが愛 覇王別姫」という映画に感銘したのですが、その映画を作ったチェン・カイコー監督が、また京劇に関する映画を作ったと知って、絶対に逃したくなかったのです。

映画は、梅蘭芳(メイランファン)という実在した京劇の天才女形の生涯を描いたものです。
覇王別姫」は、この梅蘭芳が創作、上演した演目のひとつと知り、さらに絶対に観なくては、になったのです。

戦争などの時代背景もあるのですが、まさに波瀾万丈な梅蘭芳の人生。
円熟期のレオン・ライも素敵でしたが、青年期を演じたユィ・シャオチュンは紅顔の美少年という言葉がピッタリ。
京劇のシーンもたっぷりあります。美しさにウットリしてました。
女形役者をとりまく社会環境の劣悪さや、梨園世界の陋習、京劇のプロデューサー業、観客の反応(良いも悪いも)もストーリーの中に収まっていまして、ただ美しいだけの映画ではありません。
梅蘭芳の子孫たちが制作に協力したそうで、愛人がいたことも包み隠さず描かれています。愛人は、京劇の男形役者、孟小冬(モン・シャオトン)で、舞台の上では男女が逆ですね。
チャン・ツィイーが演じてましたが、器用だなぁ、と思いました。
梅蘭芳は観客のもの」と、奥さんに訴えられて身を引いてしまうのですが。

天才芸術家というのは、どんなにサポーターがいても本人にとっては孤独で、それ故、芸への研鑽を積むのかしら。。なんて思ったりしました。
京劇に興味のある人にはお勧めです。