何なんだろう

ネットでニュースを見て、少々、陰鬱な気持ちになってしまった。
中村うさぎのことだ。

買い物依存だとか、ホストに入れ込んだとか、プチ整形したとか、
豊胸手術をして豊胸前・豊胸後のトップレス写真を雑誌で公開したとか、
これまでにもいろいろとあって、それを自虐的に綴ってきた人ではあったけど。
「自分の女としての価値を確かめる」ために、デリヘル嬢として風俗店で
勤務したとはね。。
風俗嬢体験談が掲載されたものが出版されるみたいだが、
彼女は一体、何をアクティングアウトしてるんだろう、
という思いにかられる。

アメリカの有名なフェミニストであるグロリア・スタイネムは、
プレイボーイクラブのバニーガールに実際に応募してバニーの仕事を
実体験して舞台裏の潜入取材をし、
「プレイボーイ・クラブ潜入記―新・生きかた論」を出した。
これは、とてもエポック・メイキングなことだった。

社会学を専攻している大学院生の女性が、新地のホステスになって、
その体験から論文を書いたってのは、新聞ネタにもなったことがある。

遙洋子は、AV女優との対談の場で自分が発した言葉でAV女優を泣かせた時、
温泉ロケで乳首ギリギリまでだす芸人とビデオで乳首を出すAV女優は
どう違うのか?と、友人の芸人に問われて、彼女は、乳首の上下数センチの
ちっぽけな正当化と、数センチの自尊心で生きているにすぎない、と書いた。

グロリア・ステイナムの体験を評価して、中村うさぎの体験をけなすのは
お門違いってことを誰かが書く前に先に書きたかっただけなのだが。

ゲイの男性と結婚していて恋愛は婚外で、という生活を実践している彼女だが、
彼女のパートナーが、籍を入れて生活しているからパートナーである相手に対し
て責任を持っている、同棲しているだけの異性愛カップルのお互いに対する
責任感とは違うんだ、だったかな、ちょっとうろ覚えだけど、そんなことを
婦人公論」に語っていたのを読んで、中村うさぎは結構幸せだな、と
思ったことがある。
うろ覚えの一部だけじゃ、何が良いんだか読んでる方には分からないですな。。

大胆不敵な笑みを浮かべつつサラリと超過激な物言いをするのが好きなフェミとして、
非難囂々を覚悟の上で過激に斬ってみようかと思ったのだが、
(その場において、中村うさぎの批判も擁護もするつもりはない)
なんか、どこかでひっかかりがあって、中途半端な書きようではないか。。

あのさ、うさぎさん曰くの「女としての価値」って何だい?
で、「自分の女としての価値」はデリヘル嬢をすることで確かめられたんでしょうか、
うさぎさん。エロ抜きで、そこんとこ詳しく知りたいね、私は。