谷間のはなし

カンヌ映画祭サトエリが記者会見に20分遅れた時に、
「胸の谷間をつくるのに時間がかかってしまった」
と言い訳した話から、巨乳タレントの胸の谷間作りは意外と難しいんだという記事がゲンダイネットに出てた。

胸の谷間は十分すぎるほどあっても、ドレスからほどよく巨乳をこぼれさせ、キレイな谷間をつくるのは難しい、と。

一般論として、天然モノの巨乳のタレントは20代後半になると、どんなにケアしていても自然と垂れてくるし、左右に広がるので、それをブラジャーの中に押し込むのに手間取る。それに胸出しドレスだと、下着はストラップレスブラだけど、動いているうちにズリ落ちないように、ワンカップ下の窮屈なブラをつけて無理やり押し込むから時間がかかるらしい。

記事の最後に「着替えの早い巨乳アイドルは、人工モノということか……。」
というくだりがあって、それを読んだ瞬間、思い出したことがあった。

それは、前の職場の休憩室での出来事。
話を聞いて、口をあんぐりと開けてしまったから、今でもよーく覚えている。
ヤローばっかりだったと記憶しているので、午後から勤務してた日の休憩時間だったと思う。
誰かが(って、誰が言ったか実は覚えてるのだが)職場でアイドル的人気を誇っていたMさんについて「彼女の胸は作り物だ」と言いだしたのだった。
そしたら、その場にいた男子から出てくるわ出てくるわ。。
「動いても揺れないから天然じゃない」とか「あれだけ形をいつもキープしてるのは、絶対に下着で作っている胸だ」とか。
一応、やんわりと書いてますけど、現場の会話はもっと露骨なもので、私は
「男の人って女の人の胸をそんな風に見てるのかっ」
てビックリしてあっけにとられながら聞いてた記憶がある。
午後から勤務の日の休憩は、いつも男の子たちばっかりだったから、ちょっとしたシモネタなんかは、あっけらかんと交わされていて、へぇ〜、そうなんやぁ〜って、私はよく感心してたもんだ。
で、その日の休憩が終わった後、ついついMさんの胸を見て
「あぁ、なるほど。。そうかもしれない。。」
なんて、何を確認していたんだ私、みたいな。

まぁ、女の子の胸なんて、天然でも加工してなんとでも作りようがありますから。

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ブラによる胸の谷間作りって15年くらい前ですかね。
「寄せてあげる」ってのが流行ったじゃないですか。
あれっていつだったんだろう。あれからだと思います。
私、ごっついパッドをいれて胸を底上げするのは邪道やと思ってたんです。
そこまでするかーって。
高校時代の友人達とハワイに遊びに行った時、皆でビキニを買って海に行くという約束をしまして、ハワイでビキニを買ったんです。
今のところ、後にも先にもビキニはそれ一着なんですけど。
そのビキニを買うのに試着をしてたら、店員さんが脇にごっついパッドが入ったものを勧めてくれて、それをつけてみたら、
おぉ、胸に谷間が!それにデカく見えるではないか!
と、ブラによって胸が作れることを知ったのでした。

そこに、ケイト・モスが「私の胸でも谷間ができた」と感激したというワンダーブラが入ってきたりして、バストメイクってのが流行から定着にむかっていったような。
ケイト・モスの胸でも谷間ができるのなら私だってできるかも、なんて、PJでワンダーブラを扱っていて、さっそく買って試しましたですね。
脇に流れているのを集めてくる感じというのを初めて味わいました。
胸の谷間ができた!なんて感激した覚えはないから、それほどでもなかったのでしょうけど、これまでのブラとは違うホールド感があったかな。
アメリカにいた時は、お手軽価格で買えたので愛用してました。

日本のPJみたいなお店でVictoria's Seacretというお店がありまして、そこで一度試着をしたことがあります。日本人で、かつ、元の胸が小さい私に合うものがなくて、いっぱいいっぱいいろんなものをだしてもらった都合、何か買わなくては、なーんて日本人的感覚で1枚買ったのが、脇のパッドはもとより、カップそのものもゴツくて、つけただけで2サイズくらい上でかつ、型くずれしない嘘胸(「うそむね」私の造語です)になれるものでした。
友だち(もちろん女子)に「今日は嘘胸よぉ〜ん」なんて笑ってたくらい。

日本に戻ってきてからは、通販なんかで適当に買って、自分の胸に合うブラが見つからないって思ってました。小さいなりにも悩みがありましてね。
身体がキレイに見えるブラが欲しいと思っていたら、妹君がオススメのランジェリー・ショップがあると教えてくれたのです。ちゃんと測って合うブラを持ってきてもらったら全然違うよって妹君は姉妹で一人巨乳なんですけど、その彼女ですら感激できるっていうのでそれなら試してみようと思って予約して行ってみたのです。
そこで初めて採寸して自分の胸に合うブラをつけた時の感動たるや。
本気で
「私の胸でも谷間がっ、いや、ちゃんと盛り上がりがあるっ」
って感動しました。

お恥ずかしながら30歳過ぎるまで自分の胸のサイズを正しく知らず、しかも、ブラのつけ方も知ってなかったことが分かったのでした。

「贅肉にしますかっ、それとも胸にしますかっ」
「贅肉になるくらいなら胸になるほうがいいですっ」
「じゃ、ブラの正しいつけ方を覚えましょうね」
なんて、つけ方をお店の人に教えてもらって練習をしたのです。
いつだったか、父が「新地のネーチャンが、腕から肉をずーっと胸まで移動させて胸を作ってるって言ってた。実際には移動してなくても、そういう思いで胸を作ってるらしい」なんて話してたのですけど、肉は動きます。はい。

このお店の良いところは、リーズナブルなんですね。
インポートのランジェリーはお高いじゃないですか。
特にフランス製のものなんて、洋服並み、いや、洋服以上に高かったりします。
でも、そこまで高くない。アフターケアが万全で、チェックに持って行くと肩紐やホックの調整をしてくれます。体型が変われば見合ったものを教えてくれます。
おかげでバストメイクには自信がつきましたね。
でも、普段は身体のラインが出るような服は着ないから、傍目からはぜんっぜん分からないでしょうけど。
胸が強調とまで言わなくても、ふっくら見える服を着たりしたら違うんだろうな。
でも、洋服の下はちゃんと谷間のある胸を作ってるぞ、なんて、ある意味「脱いだらスゴイんです」みたいな。
巨乳じゃないから「なーんや」って言われるのがオチなんですけど。
胸があるんだかないんだか分からないような身体のラインがでない服しか着ないのは、オンナなんですけど、オンナとして見られることに恐怖を覚えているからかもしれません。だからといって男になりたいなんて思ったことはなくて、なんだかいつも引き裂かれてます。

大学生の頃、林真理子
「はやくオバサンと呼ばれる年代になりたいと思っていた。オバサンになれば、オンナとして見られなくなるから」
みたいなことをどこかで書いていたのを読んで、
「私もその気持ちよく分かる。私も早くオバサンと呼ばれる年代になりたい」
なんて、20代前半の若い身空でそんな風に思ってた。
それくらい自分がオンナという特性を持っていることに恐怖があって女性性というものを否定してましたね。男性恐怖症がかなり入っているので、男になりたいなんて、これっぽっちも思ったことないけど、「オンナって悲しい」って、いつも思ってた。女性であるけれども、いつも「私をオンナとして見ないで!」って思ってた。オオカミの目の前にいる羊ちゃんみたいな気持ちっていうか。いや、今も思ってるかもしれない。
自分がオンナであるということに対して空恐ろしい思いは捨てきれない。
私の中の闇だな。この辺りは、後天的な理由もあるので仕方ない。
そんなせいで、自分をオンナとして装うのがとっても苦手。
「女の子なんだからオシャレを楽しめば、あなたはもっとかわいいのに」
と母から何度言われたことか。
「Emmeryさんはかわいいんだから。。」
なんて
他にも知り合いから何度となく言われても、どうしたらいいか戸惑うばかり。
お化粧してスカートにヒールなんて、オンナ・コスプレって感じ。
私の中で「オンナ、やりまーす!」って気合いいれなきゃ、みたいなね。

そんなんだけど、毎日ブラだけはきちんとつけて胸に高さと谷間ができるように
してるんですよ。お世話になっているお店に通うようになってから、ブラだけは
毎日勝負ブラ、なーんて。いわゆる、本来的なその手の機会は皆無なんですが(爆)
ちゃんと手洗いして大切に使ってますしね。
20代の頃よりも美乳になったと思うんですよね。ケアもちゃんとしてるし。
あっ、でも、恥ずかしいから、やっぱ微乳ってことで。 あはははは・・