ビターシュガー

前にもチラッと書いたけど、この秋のクールは、NHKのドラマにはまりまくった。
実際にはテレビじゃなくて、NHKオンデマンドで見てることがほとんどだったけど。
先週は、2つドラマが終わった。
「ドラマ10 カレ、夫、男友達 」と「よる☆ドラ ビターシュガー
どちらも原作を先に読んでしまって、比較しながら見てたのだけど、「カレ、夫、男友達 」の最終回は、ちょっとガッカリだった。
原作を読んでなかったら、アレでOKだったけど、原作を知ってたから、残念すぎた。でも、たぶん、原作通りだったら一般の人からは受け入れられなかったと思う。

ビターシュガー」も原作とは終わり方が違ったけど、これはまだ良かった。
原作は大島 真寿美さんの「虹色天気雨」と「ビターシュガー 虹色天気雨2」
「虹色天気雨」では主人公の三人が39歳。続きの「ビターシュガー」はその数年後、という設定だから40歳を越えてる設定なんだけど、ドラマでは39歳から40歳にかけての時期内で、上手にミックスされてた。

市子、まり、奈津の三人の友人関係は見ていてうらやましかった。
そこにゲイの三宅ちゃんやら、まりの元彼の旭、奈津の娘の美月。
市子の家のリビングが皆の溜まり場みたいになっている様がいいな、と。
特に美月が「市子ちゃーん」って、自分ちのように彼女の家に泊まりに行っちゃったりするのは、なんだかうらやましかった。

三人の中では、私は自分で「まり」に近いかなって思いながら原作とドラマを見てました。ドラマでは和久井映見が演じてて、彼女が好きだから余計にシンパシー。
まりは、年下のカメラマンと同棲していたけど別れちゃって、ドラマでは39歳だけど、原作では40歳を過ぎて、15歳も年上の男性と恋に落ちる。まりは市子に
「ねぇ、市子、知ってた?39歳でもビリビリとしびれるような恋ができるんだよ!」
って、本当に嬉しそうに話していて、その時、39歳が目前に迫っていた私は、ま、ドラマの中の話だしね、なんて、少々冷めた思いで見てた。

事実は小説より奇なり、と言うけど、そんな冷めた眼差しでドラマを見ていた私に、まりみたいに「ビリビリ」と感じることはなかったけど、恋に落ちてしまう、という事件がドラマ最終回直前に起こったんですな。
「恋はするものじゃなくて落ちるもの」とは言ったもので、ほんとに気付いたら「落ちて」しまってたのであります。(このあたり、私のツイもまめにチェックしている人は気づいてたかと。)
ドラマの中の まりみたいに「ねぇ、市子、知ってた?」なんて会話は誰にもしなかったけど、あの時のまりに自分を映してしまった。。

原作と違って、ドラマでは、三人が40歳の誕生日を迎えてパーティーをするシーンで終わる。そこで、40歳の抱負みたいなのを三人三様で語るのだけど、それは素敵だった。でも、市子が、やり直したいと思っていた自らの元彼ではなく、まりの元彼の旭を選んじゃうのは、ちょっと違うと思った。
原作は、そんなことなくて、市子と旭は風通しが良いままだったのに。
元彼とも復活しないし。
ドラマじゃそのあたり、視聴者受けに走ったな、みたいな気がしちゃった。