他者とのつながり

<Emmery Annexの過去ログ>
一つ前のエントリで律動の月のキーワードについて書いてみて、理解できているような、できていないような、でした。頭の中でぐるぐると思いを巡らせながら、今朝会社にでかける時、何の気なしに「心身自在 」を鞄にいれて出かけました。
少しずつ読んでいて、しばらく読み進めるのを忘れていた本です。
前の続きから読み始めて「他者とのつながりにおける自己意識」に関するところで目が留まりました。

そこには、人間は高度に社会化された相互扶助的な動物で、家族・部族・地域共同体のなかで生きるようにできており、そのつながりが失われたとき病気になる、という話が事例と共に紹介されていました。

特に目をひいたのは以下の部分。

最大の問題は自分のことだけにかまけ、意味のある存在としての他者、こころを配る価値のある存在としての他者が認識できないというところにある。

大家族から核家族に変わった西洋の工業化社会では、個人主義と独立性が尊ばれ、なんでも自分のことは自分でするのがいいとされている。その結果、何でも自分ひとりで生きているように錯覚している人がふえている。そのことが人びとのこころに深刻な不満感をいだかせ、それがわれわれの社会的病理の原因になっているのではないか。


確かに今の世の中を見ていても、他者との関係が上手に結べていないが為に悲惨な事態を招いていることが多いような気がします。ひとりで生きていると思っていても、本当はいろんな人との関わりの中で助けられながら生きているのです。
そもそも、私たち人間は、独りでに発生して生まれてくることはありません。母という他者の存在がいなければ生まれてくることがなかったのです。その母も父となる人との関係がなければ受胎することもなかった。つまり、私たちは他者との関わりの中でこの世に発生し、生まれてきたのです。

「自分と同じくらい相手のことも大切にしているか?」
という問いを改めて振り返ってみました。

依存せず他者から距離をおいて自立することを誇りにしている人、孤独な生活をたのしみ他者にたいして防衛的になっている人、どうしたら自分以外の人やものごとの意味のあるつながりがもてるのかを知らない人、つながりを持たない人にもいろんな人がいます。

アンドルー・ワイル博士は、
孤独の経験をもつことも必要だし、人によってはその経験なしに成長できない人もいる。しかし、孤独とつながりのバランスが失われると病気になりやすいことはたしかなのである。
とも書いています。

自分一人の時間を持ち、自分の内へ内へとフォーカスしていくことと同じくらい他者とのつながりも大切で、そのバランスを保つことが何より重要なんだ、ということですね。

まさに律動の月のキーワードをかみ砕いたような内容でした。
昨日より今月のテーマが分かったような気がします。

参考:

心身自在

心身自在

  • 作者: アンドルー ワイル
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1999/06
  • メディア: 文庫
 

 

律動の月2日 KIN245/本能を解き放つ 赤いスペクトルの蛇