Half Fiction

この時期は何年経っても苦手。
罪を憎んで人を憎まずで、今は相手のことは許せている。
あの出来事そのものも時効とは言わないけれど、あれが起こらなければ
今の私が創られていないから受け容れている。
「いろんなことがあったけど、今となっては全て良い思い出」
と書かれた手紙をどうしたのか忘れちゃったけど、文面を忘れはしない。
今の私は半分皮肉混じりに同じ言葉を口に出せるほどになった。
             時間なんてものはとても、時として残酷で
             でもその残酷さゆえに 今が創られて

不用意に引き金を引かれてしまったら発症することも含めて自分の個性だと
私の一部だと心から思っていても、常日頃はすっかり忘れている私の中の
狂気が暴れるこの時期は、耐えがたきを耐え・・という文字通り一日一日を
surviveする毎日。
全てを許したつもりなのになぜ?と思うけれど、あったことをなかったことに
することはできない、元通りに戻れないという現実が私を狂わせるのだと思う。
あのことがなければ、私達は今頃どうなってたのだろう。
遅かれ早かれ、やっぱり「過ち」は起こったんじゃないか、
何をどうしたって避けることはできなかったんじゃないかと思う。
             与えられた自分だけの 正気と狂気があって
             そのどちらも否定せずに 存在するなら

心模様はコインの裏表のようなもので、仕事に埋没している間は
忘れていられるけれど、仕事をしていないといろんな感情が暴れ出し、
私はただうずくまって、嵐が過ぎ去るのを待つしかない。






話したいことは山ほどある。
会って話せるなら、きっと弱いことをたくさん言ってしまうと思う。
そしてきっと、私は恥も外聞もなくあなたの前で泣いてしまうと思う。
私の強さも弱さも見せることができるあなただからこそ。
本当は、今にも崩れ落ちそうな私の今を聞いて欲しくてたまらない。
キーボードを叩こうとすると、伝えたい言葉がさらさらと指と指の間から
こぼれ落ちていってしまう。
床にこぼれ落ちた言葉を必死でかき集めようとするけれど、虚しいだけ。
多分、今、私が拾い上げて言いたい言葉は一つ。
「Help me」
でも、自分を助けられるのは他の誰でもなく自分しかいないってことは
私が一番よく分かってる。
崩れ落ちそうな自分を支えることができるのも、自分しかいないってことも。
だから、もう少し待っていてください。


祝福が欲しいのなら 
悲しみを知り 独りで泣きましょう
底無しのペイン 迎えてあげましょう

と歌いながら今の自分の気持ちを噛みしめてきた。

ゆるぎないものひとつ抱きしめたいよ
誰にもそれが見えないとしても
まっすぐ優しく生きてゆきましょう
誰もがそれを笑ったとしても
絶望の真ん中を見つめましょう
魂よ もっと強くあれ

と自分に言い聞かせながら歌ってきた。

今年は、あゆの「LOVEppears」を爆音で聴かないでも過ごせていた。
でも、今夜は・・