岡村靖幸「エチケット」@Zepp大阪

岡村靖幸「エチケット」大阪公演のライブ・レポでございます。

久しぶりに、かなり長い長いレポになっております。
読む方は、覚悟してください、なんて。

この先が、とにかくながーいので、いきなり「続きを読む」設定にします。

今回のDATE(岡村ちゃんのライブのことを「DATE」と称します)は、件の事件からの復活ライブになるのですが、復活ライブも3回目ともなれば、
「いったいどの面下げて戻ってくるんだ」
みたいな気持ちはありました。
でも、復活するとなると、やっぱりどんな風になってるのか、この目で、耳で、確認しなくては気が済まない私がおりました。
熱い気持ちではなく、どこか冷めた気持ちの方が強かったのですが、
とにかくチケットを取って見に行った、という感じ。
ですので、ライブハウスならモッシュがデフォな私ですが、
今回は静観しようと一段上のバーのところに場所取り。
それより以前、遅刻しまくりで、自分の整理番号の倍くらい後ろで入場でしたが、今回は最初からモッシュは目指さなかったから平気でした。
体調が万全じゃないし、岡村ちゃんのライブのモッシュは、実はこの私でも怖いのです。過去に何度もエライ目にあってるし。10代の頃、一回しかライブを体験してないから、スイッチが入りにくい、という理由もあり。

ステージには、白い幕が降りていて、バックライトで薄紫に染まってました。
スモークが既に場内に漂って、開演間近を物語ってます。
時折、楽器のサウンドチェックの音。

気付くと場内は人で一杯になってました。年齢層が高いというか、自分と同じくらいの人が多い感じ。ファンも一緒に歳をとりますね。。
高校生の頃からこれまで、岡村ちゃんのDATEにはいつも一緒に連れ立ってたベイベ友が出産したばかりで今回は初めて一人参戦。ベイベ友が一緒だったら、何を話しながら待っていたのだろう。。

開演までのSEは、ストラヴィンスキーの「火の鳥
いつぞやのライブの時と同じやなぁ、と思い出していました。
今回は、一人参戦でしたので、開演までの時間、これまでのことをいろいろと思い出していました。
開演5分前の18時55分頃から、どこからともなく手拍子が始まり、始まる前からアンコールのような雰囲気。開園に先立ちましてのMCが終わったら、さらに手拍子は高まり、歓声もあがり、ひたすら岡村ちゃん登場を待ちわびます。
私は「すごいなぁ。」なんて、かなり覚めた態度でおりました。
いつだったか、開演予定時間から15分以上押して、
「DATEは遅れちゃダメでしょ~」
なんて周りが言ってたのを思い出し、これで15分以上遅れたら、それでも皆は手拍子を続けるのかしら?なんて。

新木場のネタバレを読むまでもなく、なんとなく今回のライブの1曲目は、
「どぉなっちゃってんだよ」
だと思っていました。
ステージの始まりも、私の網膜の奥で見えてたというか、予測できた。

19時5分過ぎ、場内の色合いが、ふっと変わり、ライブ開始を知る。
流れてきたのは、エチケット・バージョンの「どぉなっちゃってんだよ」
とにかくこのエチケット・バージョンのイントロダクションは1曲分くらいある。
ステージの幕の向こうにライトの演出が周りはじめ、
これもいつぞやのライブと同じやなぁ、と思いながら見てました。
あの時も、イントロが流れてきてから開始まで、すごくすごく長かった。
もしベイベ友が一緒だったら、本人が出てくるまでに、もう待ちきれない!ってな具合で
「靖幸クン!」
って叫んでただろうな、なんて思いながら、今回の長いイントロを聴いていた。2分48秒でビートが入ってきて、その音圧が高いなぁ、と、まだ冷静。岡村ちゃんの声も、恐らくまだ生声ではなかろうと。
そしてボーカルが始まる3分30秒、幕が開き、一段上になった所で岡村ちゃんが歌っている姿を見た時、なんとも言えない感情が湧き起こりました。
嬉しいとか、悲しいとか、怒りとか、そういうのは全部超えたもの。
ただ、私の心の中でザワッといろんなものが出てきてました。

ピンストライプのスーツに赤いシャツ、上の縁が黒いメガネをかけた岡村ちゃんが、歌っている姿が、この目で見える。
10代の頃から聴いてるから、覚えているというよりも身に付いている歌詞は自ずと出てきます。

♪どぉなっちゃってんだよ 人生頑張ってんだよ
 一生懸命って素敵そうじゃん

って一緒に歌っていたら、不覚にも涙が出てしまいました。
やっぱり、嬉しいのかな。おかえり、岡村ちゃん、なのかな。

2曲目は「カルアミルク」
声が出ている印象が続く。高いところもごまかさない。

電話なんかやめてさ 六本木で会おうよ
今すぐおいでよ

という部分は、大阪であっても「六本木」から変えない。
今も昔も。こだわりなのかな、と思う。

は~いは~いは~い ははい
のコールアンドレスポンスも変わらず。
手振り身振りで、大阪ベイベ、カモン!とする様も素敵。

曲が終わって、深々とお辞儀をする姿が印象的でした。
時々メガネの位置を直す仕草に萌え~ だったのですが、メガネをかけた岡村ちゃんは、やっぱり歳食ったな、という印象を受けていました。

次はテンポよく「ア・チ・チ・チ」
途中のしゃべりの部分はどうするのかな?と思ってたら、

ホンマに、ホンマで、ホンマは。。
Let's Go!

で、ありました。そしてダンスに入っていったのですが、このダンスのためか、直前でメガネを外してしまいました。
メガネがない顔の方が断然若く見えて、懐かしい岡村ちゃんって気がしました。
ときめいてしまったなぁ。
やっぱり岡村ちゃんのこと、今でも大好きだって実感した瞬間。
ダンスは、衰えていなかったけど、前みたいに無理している感じもなかった。
前回のライブは、足を痛めてしまった公演だったので、どことなく焦りが見えたから。
そして今回はダンスよりも歌を大切にしている印象を受けました。

「Vegetable~聖書」
あんまりにも斬新なVegetableで、別の曲かと思ってしまった。
聖書は、まんまです。
♪なんで35の中年と恋してる
という歌詞で、私は35歳なんて、とっくに越えてしまったよ。。と苦笑してしまいました。

岡村ちゃんが少しギターをかき鳴らしていたのは、Vegetableの時だったかしら。
懐かしい、あのギターが出てきましたよ。

拾ってきたセトリでは、ここで「Punch↑」やったらしいけど、ちょっと記憶なし。
次は「Co’mon」
後半、楽器のソロになり、岡村ちゃん退場。
ドラムソロが特にすごかった。水を飲みながらソロしてるんですもの。
後で他のメンバーも、水飲みながらドラムソロをする人を初めて見たって言ってました。

再び岡村ちゃんが登場して「イケナイコトカイ」
本当に美しい曲。
10代、20代の頃、この曲の深さが分からず、なんだかいやらしい曲と思ってました。
で、カラオケで歌っては、周りをドン引きさせたりして。
30代になって、復活ライブで聴いて、やっとこの曲の美しさに触れ、私の中でこの曲の位置がガラリと変わりました。
ライブのたびに、いつも思い出します。

いけないことかい? 
傷ついても二度とはもう離したくない
息ができないほど愛してるよ

客席のコーラスは、まんま、私たちベイベの岡村ちゃんへの気持ちなのかな、
なんて思ったり。

そして「いじわる」
この辺りで、私の中の気持ちが暖まってきて、身体も自然に動くようになってきました。内容的には、この曲のほうが断然、エロいんですけどね。曲がかっこいいからなんかごまかされちゃう

愛されていたいならば
聞かせてよ Bed での love song

これも客席がコーラスしてました。

「19 (nineteen)」
切ない系を続けないで、切り替えちゃうのが今回のライブの特徴だったような。
初期の頃の曲は元気だけど、秘かにエロいというか、今聴くとドキっとする歌詞があります。

「モン・シロ」
復活後の曲では一番好きかも。
聴いてるとなんだか切ない。
シャラララ シャラッ シャラッ
なんてね。

ここでMC
岡村ちゃんは、いつも通り普通にしゃべりません。
バックの人たちと一緒に座ってます。
MCは、メンバー持ち回りということで、今回の担当の方が話していました。
岡村ちゃんのことを話すと後で怒られるんですって。

で、岡村ちゃんに声を届けるって、ちょっと今回は趣向を凝らして、、と
男性は低い声で、女性は黄色い声で、と、注文あり。
今回、男性と女性と半分半分くらいですかね。やってみて、
「レンジが広くていいなぁ」って言ってました。
バックの人たちは、全員かどうか分からないけど、大半がいつもの人たちだったと思います。
名前を覚えているのは、ギターの佐藤純郎さんだけなんだけど。。
(♪ギターは純郎 は、今はやらない。。)
純郎さんは、遠目からだとお変わりないけど、やっぱりそれなりに歳を重ねられてますね。でも、純郎さんがおられると嬉しい。どんなことがあっても「いつもの人たち」がバックを演奏してくれるってすごいことだと思う。

もう一つ、岡村ちゃんに声を届ける、ということで、
「青春って?」と言われたら、
「1、2、3、ジャンプ!」
というコールアンドレスポンスをやりました。
もちろん、「あのロン」の振りです。
次の曲は「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」
(注:タイトルが長いので、ファンは「あのロン」と略す傾向があります)

青春って1、2、3、ジャンプ!
って、手が勝手に動いてしまう。。
そのまま「だいすき」
これもたまらないですね。
(君が)だいすき!
と何度も歌ってると、カタルシスが起こる気がする。

これで本編終了。
アンコールまでしばし。
周りの人が「楽しかった~」って言ってるのが印象的。

アンコールは「DATE~祈りの季節」からスタート。
エロ系からか、なんて。祈りの季節では、
「大阪、子ども産め~!!!」
って岡村ちゃん叫んでましたけど、周りで
「あなたが塀の向こうにいる間に一人産んじゃったわ」
な反応の女の人がかなりいましたw

「マシュマロハネムーン~セックス」
すごくかっこよかったなぁ。
シームレスなのも「エチケット」のまんまなんですけど。
「セックス」はタイトルがアレですけど、内容はそんなことなくて、歌詞が好きです。どうして、セックスっていうタイトルつけたんだろう。。

君が、どんなリップスティック塗っても
君が、どんなシャッポを脱いでも
君が、どんな大学に行っても
君が、どんな車に乗っても
君が、どんな週末過ごして
君が、どんなレシピを読んでも
たとえ僕の歌を好きでも嫌いでも
セックス あん時言ったろ

 

アンコール2
またまた待たされます。
下手にエレピが出てくるのを、今か今かと待っていたら、いつも通り、幕の後ろからエレピがポンッと登場。
まずは、MC代わりの弾き語り。

大阪ベイベ~ と歌い始め、完全な即興なんですが、いつも笑っちゃう。

僕に気があるのかな?と思って聞いてみたら
「ちゃうちゃうちゃう」って言われたって。
今度は「ちゃうちゃうちゃう」なんて言わないで、とか。
「一緒に引っ越しをしてくれよ。九州かい、沖縄かい、それとも熱海かい」
場所のギャップにちょっと笑ってしまった。
「大阪ベイベ、君がいやらしいことをするときも関西弁なの?それとも東京弁なの?」とか。
どれもこれも、ちょこっと「(笑)」な内容。
質問の答えですが、私は、えーと、東京弁にはなりません(爆)

Georgia On My Mind~ Lovin' You (最初のワンフレーズだけ)~ 卒業写真
卒業写真は後半、歌詞を間違えたのか、出てこなくなったのか、ちょっとつまった?と思った後、歌わなくなって、客席が歌っておりました。
Georgia On My Mindのコードがすごくカッコいいなぁ。。って、
ちょっと耳が違っちゃった。
そしてそのまま「友人のふり」
この曲は切ない。特に今の私にはとてもとても切なかった。
後半もこれは岡村ちゃんじゃなくて、客席が大合唱。

幕が開いて、純郎さんと「どうかしてるよ」
こんな曲が聴けるとは。。しみじみ聞き入りつつ、これも合わせるコードが興味深い。。と思いました。

ここでバンドのメンバー紹介。
最後が岡村ちゃん

オベーションをかき鳴らし、最後の「Out of Blue」に入るのかと思いきや、弾き語りで少しずついろんな曲をちりばめて歌っていました。
私には分からない曲もあったけど、
Dog Days → シャイニング → ターザンボーイ → Out of Blue だったみたい。
Out of Blue は、最初のワンコーラスはギター弾き語りで、2コーラス目からバックが入ってくるところも変わらず。
この曲が始まると、DATEが終わると、しみじみしてしまう。

良くも悪くもスタイルが変わらない岡村ちゃんのライブ。
今度こそ、薬物から切れていてほしい、心から願わずにはおりません。
OKAMOTO'Sのハマくんがラジオで岡村ちゃんについて熱く語っているのを聴いたりするにつれ、若いミュージシャンたちをも悲しませてほしくないって。
古くからのベイベは、良くも悪くも耐性ついてる気がするけど、さ。
本当に本当に、岡村ちゃんの心身に負担のないよう、健やかであってほしい。

そして、罪は罪だけど、やっぱり私は岡村ちゃんの魅力と才能にはあらがえないと今回のライブに参戦して、しみじみ思った。
岡村ちゃんは、青春の一部であり続けるもの。

 

<セットリスト>
どぉなっちゃってんだよ
カルアミルク
ア・チ・チ・チ
Vegetable
聖書
Punch↑
Co'mon

イケナイコトカイ
19 (nineteen)
いじわる
モンシロ

あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう
だいすき

・アンコール

DATE~祈りの季節
マシュマロハネムーン~セックス

・ダブルアンコール
ピアノ弾き語り
Georgia on my mind ~ Lovin' You(ワンコーラスのみ)~卒業写真)
友人のふり

どうかしてるよ
ギター弾き語り(Dog Days→シャイニング→愛の才能→ターザンボーイ)
Out of Blue