最後の日

ちょっと手を入れたけど、今回も実は蔵出しエントリ
・・だったりする。


少し前、今年の春に入った新人くんが会社を去っていった。
方向性が違ったんだって。
なんだかバンド解散のコメントみたい。
彼は週に1回とはいえ、学校に通いながら働いている。
その勉強内容を知っているから、仕方ないなと思う。
勉強内容からすると、本来なら私のチームにいれて育てるのが妥当だったはず。
でも、彼が入ってきた時は私のチームは卵を二人育てていたし、
もとより私のチームは女子ばかりだから男子は入れないのだった。

彼が会社にやってきた頃、受け入れチームはとても忙しい時期だった。
新人を入れる時期というのは、猫の手も借りたい、じゃなくて、
素人の手でも借りたい時期になる。
それで来てもらったはずなのに、素人ゆえに仕事を出せないこともあって
しかも、新人教育なんてできる余裕ないから、彼は暇そうにしてた。
私のチームも忙しかったのだけど、せっかく来てもらった新人くんが
暇そうにしているのを見かねて、私の手伝いをさせても良いか、
しゃちょーに直談判したんだった。しゃちょーは、
「なーんにも知らないけど大丈夫?」
と尋ねてきたので
「私が教えるから大丈夫です。」
って、しばらく私が彼を世話をすることを引き受けたんだった。

明らかに大阪の子じゃなくて、地方から出てきたって感じの
やや垢抜けない見た目ではあったけど、素直な子だったので、
私の指導の元、訳の分からないままパソコンを操作して、
いろんな作業をしてもらった。あんまりPCは得意じゃなかったみたいで
「あのさ、コピペってね、『Ctrl + C』と『Ctrl + P』でできるのよ。」
と、ショートカットを教えると、ノートに
Ctrl + C:コピー
なんてメモってるのを見て、まぁ、かわいいんじゃないのって思ってた。
一日の終わりに、その日にお願いした仕事のフィードバックをして、
彼の顔をチラリと見て、フィードバックしている口調そのままで
「やってて面白い?」
と尋ねたら、一瞬、何を言われたのか?と目をぱちくりさせて、
「えぇ。。まぁ。。」
と答えたんで、私がフッと笑って
「今だけやで。こんな風に暇かこってられるのん。」
と言ったら、彼もやっと笑顔を見せたんだった。

その後、本来配属されるチームに余裕ができたので、
私が世話をすることがなくなり、小さな会社なんだけど、
特に接点もなく過ぎていき、半年ほど過ぎた頃、
「方向性が違う」という理由で辞めるという話を知ったのだった。


前日に彼のチームのマネージャが私のところにやってきて、自分は明日
出張で終日いないから、彼に仕事をだしてやってもらえないか?と
言ってきた。最後の日にいつものチームの仕事じゃなくて、他のチームの仕事?
って驚いたのだけど、手伝って欲しいことはあるから引き受けた。

当日、今日が最後、なんてのは口にも声にも出さずに仕事をお願いし、
彼は淡々とやってのけ、夕方、私の元にやってきて
「今日は他にやっておいた方が良いことはないですか?」
と言ってきたので
「今日で最後なんでしょ?手伝ってもらえて助かったよ、ありがとう。」
って返事をしたら、彼はその日初めて笑顔を見せた。

いつもなら送別会を企画してやるのだけど、今回はそういう話もなく、
「送別会、やらないの?」
と、女子の間でヒソヒソと話をしていたら、内々で呑み会をするらしい、
という話が伝わってきた。気づくと、残業しているのが女子ばっかりだったので
今日は女子禁制の呑み会みたいね、なんて笑っていたら、
しゃちょーから「参加できる人は来なさい」という電話が入る。
それでも帰る人は帰ってしまって、残ってた別チームのマネージャが
「Emmeryさん、どうします?」
と言ってきたので、
「華添えに行くべ?」
と二人で仕事を調整して会場へ。

参加したのが遅かったから送別会というよりも、ただの呑み会状態で、
最後だから、何か声をかけた方がいいのかなぁ、と思いつつ、
席が自由に移動できる状態ではなかったから、そのまま飲み食いして、
こんなんで良いのかなぁ、なんて思いつつ、
童顔の為、どことなく幼さの残る横顔を眺め、
最終のバスに乗りたいからと、そんなに長居せずに席を外し、
はて、こんなんで良かったのかしら。。と、再度思ったのであった。



私のチームで新人を抱える機会があり、あたふたしていたのですが、
一人去り、二人目もまた契約が終わろうとしています。
縁あって来てもらった人が契約なりいろんな事情で仕事を離れるとき、
いつも、私はちゃんとお世話できたかなぁ、とか、不満はなかったかなぁ
など、いろいろと考えてしまいます。