冬のおもてなし

今回のお茶のお稽古は、レベルの全く違う方と一緒でした。
予約したとき、「違うレベルの人と一緒になりますけど良いですか?」
と尋ねられたのですが、その方が面白いと了解したのでした。

私は棚点前で、一緒になった人たちは季節のお点前で筒茶碗。
筒茶碗に絞り茶巾を入れてのお点前は冬のお点前で、私は初体験でした。
普通のお茶碗と違って、深くぽってりとしていて、それだけでも温かみを
感じさせます。お茶碗を温めるために、お点前の間に絞り茶巾の一手間があり、
そういうのもお茶のおもてなしの心なんだなぁ、と感心してました。
実際に筒茶碗でお茶をいただくと、お茶碗を持った時のぼってり感が
なんとも温かくて、ちょっと感激してしまいました。
ただお茶をいただくのではなく、「温かみ」も一緒にいただきました。

一方、私のお点前ですが、最初から茶巾と茶杓茶筅をしくんである
お茶碗を使ってお点前を始め、茶巾を釜のふたの上に置くために
取り出したところ、お茶碗の底に「寿」の文字が。
きっと私が誕生日を迎えたばかりだということを先生がご存じで
おめでたいお茶碗を用意してくれていたに違いありません。
私は点てる側で、飲む側ではありませんでしたけど、お客様として
お茶を飲み干した時に、「寿」の文字を底に見つけるのも素敵ですよね。

「茶道」っていろいろと作法があって堅苦しく思われがちですけど、基本は
「お客様へのおもてなしの心」なんだって、しみじみ感じ入ったのでした。